何かに八つ当たり

215 :本当にあった怖い名無し:2007/05/25(金) 22:51:28 ID:AfMJIGWh0

1ヶ月前、雨の森公園っていう夜景スポットに行こうってことになった。
K、O、M、俺の野郎4人、暇だったから。

18号線を南に、んで看板を曲がって到着。
先客として車が2台くらい止まってたけど、誰も居なかった。
「おーマリーナシティ(遊園地)が見えるー」「なんか暖かい景色やなー」
夜景は綺麗だった。オレンジがかった夜景がバーっとV字型に広がっていた。
視界の果て、海際には目まぐるしく変化する、鮮やかな観覧車の光。

「もうちょっと奥行ってみたいわ、もっと良い所ありそう」
友人が言うもんだから、来た道とは逆、さらに奥に進んだ。
が、予想以上に複雑な、しかも初めて通る道。突き当たりに出くわした。

とりあえずエンジンを切り、皆で車から降りて、周りを見てみた。
月明かりでボンヤリと周りの景色が見える。
森?山道が鬱蒼と茂った森の奥に続いてるが、先は木が邪魔で見えない。
空は星がバーっと満面に広がって綺麗だった。来て良かった…。

ガッ、ドサッ!「うぉ、いって…クソッタレ!」

友人のKが何かに躓いて転んだらしい。
普段温厚なKなのだが、すぐに起き上がり、何かに八つ当たりしている。
「アホw何コケてんのw」と歩み寄るO。
Kに近付いた所で、Oの足が止まった。気になってMと俺も走り寄った。

M「あー…」O「あかん…あかん…」俺「…うん…」

月明かりに照らされていたのは、お地蔵様の行列を蹴り壊して満足げなマッチョ怪人Kの姿。
深緑色のコケが付き、いかにも年季が入ってそうなお地蔵様×10体以上が、全て首なし横倒れ地蔵。
なぜか一瞬でオカルト名所になってしまった。

興奮してたKをブン殴り、皆で何度も土下座してから逃げた。
大きい通りに出て、他の車を見たときの安堵感は今でも忘れられない。

後日談としては。
Kはその日から猿夢チックな夢を見続けた挙句、足を大怪我した。
何にもない普通の道路なのに、バイクで大転倒したらしい。

「こりゃ祟りやな。痛いけど地獄に落ちるよりはマシやわw」
と言って、Kは笑ってた。

いや、俺はもうKと遊びに行きたくないです。

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