神社の神主さん

520 :本当にあった怖い名無し:2007/03/17(土) 14:56:36 ID:vxvAem/70

じゃあ俺がほんのりいこう
神社つながりで悪いがな

子供のとき、夏休みには近くの神社によく虫とりに行ったんだ。
カブトやクワガタ、セミにカミキリといろんなものがよく採れた。
神社の神主さんも気さくな人で、ほとんど毎日来てる俺らに対して
嫌な顔ひとつせず「おお来たか」とニコニコしてて、居心地よかった。

ただ、夏が終わると滅多に行かなくなるので
なんかの折に通りかかるといつも神主さんが1人でお茶を
すすってて、どことなく寂しげに見えた。

いつごろからか、虫が採れなくなった。
毎年、いつもいるポイントでさえ
ちっこいカナブン程度、くらいにひどくなってきた。
土地開発が進んだから、とか気候がおかしかったから、とか
いろいろ理由をつけてはいたけど、どこか釈然としなかった。
もっとも、その頃には俺もいいかげん大きくなっていて、
虫捕りなんて卒業していた。

ある日、再びそこの神社を通りかかったとき、
俺は見てしまった。

例の如く、神主さんが1人でいたが、どこか様子がおかしい。
木の根元? 朽木? あたりにうずくまって、
時々、手をパタパタとはたいている。
俺に気付いていないようだった。



神主さんが、幼虫を喰っていた。生で。
もぞもぞとうごめいている白っぽいソレをつまんで、
ぶちゅぶちゅとむしゃぶりついてる。
その顔は、その眼はどう見ても正気じゃなかった。
俺はとにかく、その場から離れた。

以来、一度もその神社には行っていない。

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