真っ赤な炎の塊

361: 名無しさん@おーぷん:20/08/16(日)14:41:57 ID:tXV ×
俺が小学生のころ、母方の祖母の家から家族5人で帰るときのこと。
父が車を運転してくれてて、クソガキだった俺は弟を適当に脅しつけて助手席に乗るのを奪い取ったんだ。
弟よ。当時はすまぬ。

で、夜だったし、田舎だったしで、辺りはもう真っ暗だった。
しばらくすると、見慣れた道に全く見慣れないものが浮かんでるのが見えたんだ。
よく見ると、それは真っ赤な炎の塊で、人魂っていうにはすっごいメラメラしてて、
明らかに尋常のものじゃないっていうのが子どもながらにわかった。
それが一直線に車に向かって突っ込んできた。
俺は理解が追い付かないまま声も上げられなかった。
フロントガラスに音もなく直撃したと思ったら、今度はフロントガラス一面を覆うように燃え上がって、そこで父親が車にブレーキをかけた。

狭い道だったからスピードも出てなかったし、幸い、家族がケガをすることもなかったけど、父と姉が「何あれ…。」って呆然としてたよ。
どうやら俺だけに見えてたとかではなかった様子。車も無事だった。

ただ、後で話を聞くと、父と弟には、炎が黄色く見えたらしく、姉は緑色に見えたそうな。ちなみに母は寝てた。
いまだに正体がわからない。

前の話へ

次の話へ