髪の毛

513 :本当にあった怖い名無し:2006/11/30(木) 23:22:30 ID:txhdiCTk0

最近怖いというのがだんだんわかってきたので、
怖いのかお話してみようと思います。

髪の毛

私は霊感とか第六感みたいな旗をわざわざ持ってても、それは向こうから全く見えないらしい。

そんな私は、よく言う、見えるとか居るとか感じるとか、そんなのでそれらが居ることが解るわけじゃない。
だから、それがそこに居るのかどうかも本当は解らない。
けども、イメージがしつこいときは何とか消そうと努力する。

私は一人暮らしをしたことが無く、そのまま嫁いでしまったので一人で家中の掃除をしたことがない。
しかし、旦那と私だけしか住んでいない家では、なんとなく掃除は妻である私がするものになった。
まあ、べつに嫌いじゃないからいいけど、1階も2階もトイレも風呂も廊下も階段も~っとなると、最初の頃はそら要領がわからなく大変だった。

今も大変な事には変わりないのだけれど、掃除を自分ひとりでやりだすとクセになるのか、家の中でゴミを見かけると、小まめに拾っては捨てるようになっていた。

そんなゴミの中で一番多いのは髪の毛だ。

女性で髪が長い方は解ると思うけど、廊下のフローリングとか階段に落ちているのはかなり目立つ。
自分の髪の毛が、長~く数本。そしてそれはとても手で拾い難い。
あのコロコロ粘着のやつでやれば良いのだけれど、家の中歩くごとにそんなの持ってられるわけがない。
それでコロコロを取りに行くのも嫌だし、髪をそのまましておくのも嫌だし。
だから爪を立てて上手く手で拾う。

さて、最初はゴミ箱に捨てて居たのだけれど、移動する何処の部屋にも、ゴミ箱がある訳ではない。
それで面倒くさがり屋の私は、窓から外に捨てるという行為に至った。
廊下とか階段は通り道なのでよく拾う。
だから、階段上がって直ぐの廊下の窓は一番捨てやすかったので結構頻繁にその窓から捨てていた。

捨てるようになって3日くらい経ったと思うある日、すとんっと、イメージが頭に浮かんだ。
その髪の毛を捨てていた窓の場所に、髪の毛の無い首だけのイメージだ。
怖くは無かったが、私は困った。
たぶんそれは、消さないと消えないイメージだから。
長年の経験から、この手の類のイメージは消さないと消えないのが解っていた。

実際家のその場所にそれは、見えないし、居ないし、感じないし。
(皆がよく言う表現をすると。)
もちろん怖くは無いので、その場所にあるだろうそれの辺りに手を出しても「?」な感じだ。

でも消し方は相変わらず解らない。
黙ってしばらく放っておくと、イメージが消えることもあるけど、取り合えず親友が良くやっている、清めの塩みたいなのをそこに置いてみたりもする。
(と、言っても、良く解らないので、絵皿に台所の塩バサバサ盛ったりしてるだけのもの。)
しばらくそうしてたけど、珍しい、イメージがなかなか消えない。
仕事中でも、歩いていても、すとんっと入ってくる。
特に怖くは無いので、困っては居ないのだけれど、会社の先輩で、初めて私のイメージの中に入ってきた人に話してみた。

「・・・髪の毛、まだ捨ててる?」
私の話を聞いて直ぐにそう聞かれた。
「はい、捨ててますね~・・・面倒なんで。」
私は首が現われても、別段特に変わることなく、自分の髪の毛を窓から捨てていた。
「それ、捨てるの止めればいいよ。で、塩、意味無いから。ゴミはゴミ箱に捨てたほうが良いよ。」
そう彼女が言うので、面倒だけれど髪はゴミ箱に捨てるようにした。
塩ももちろん止めた。
意味が無いらしいから。
何故なんだろうとは思ったが、取り合えずやってみる私なので、その時は質問せずやってみた。

そうちゃんとゴミ箱に捨てるようにしてから3日くらいしたら、イメージが無くなった。で、先輩にイメージ無くなりました。
と報告した。
その時に、何故なんですか?と聞いてみた。

「・・・相変わらず何にも知らないのね。」
先輩は呆れたように言う。なぜだか何時も呆られる。
「はぁ・・・うーん、本当、そういうこと解らないんですよ。」
と、私は当時、相変わらず聞くばかりだった。
本当にオカルトとかそういうの、その時まで全く興味無かったし、それが怖いとか思わなかったから。
「髪の毛ってさ、霊力の塊なわけ。で、貴女それを箱にも入れずに、そのまま窓から捨てたから憑いたんじゃないかしら?」
「はぁ・・・じゃあ、なんで塩ダメなんですか?」
私は相変わらず良く解らなかったが、そういうのが憑かない様に、塩とか盛るのじゃないのだろうか?何故塩が効かないのだろう?
「塩っていうのは死体に撒くもので、魂に奉げても意味無いわよ。」
「?、良く解らないです。」
もう、本当当時、私馬鹿。
「塩ってさ、死体の腐敗を防ぐために使っていたの。塩漬けってあるでしょ。盛塩はそれの名残ね。」
「へぇ~そうなんですか。で、なんで髪の毛窓から捨てちゃダメなんですか?」
「・・・捨てちゃダメじゃないけど、死体、棺桶に入れるでしょ?
あれは魂の残り香に寄って来ないようによ。だから、地球環境の為にも、ゴミはゴミ箱へ。」

髪の毛っていうのは、つまり抜けたら死体と同じだから、ちゃんと箱に入れなくてはダメらしい。
(未だにあんまり信じていないけど。)

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