近所のお寺が寮代わり

300 :その1:2006/11/22(水) 00:28:33 ID:CDePYMWP0

高校のとき、近所のお寺が寮代わりで、数人の同級生や先輩後輩と一緒にわいわい楽しく住んでいた。
寮長代わりの坊さんも豪快で楽しい人で、管理人と言うよりはおっさん友達って感じで土曜の夜は一緒に酒盛りしたりしてた。
お寺は寂しい高台にあったせいか、急な石段か山添いの坂道かを毎日往復するのはきつかったけど、見晴らしがよく街を一望出来、寮生も気のいい奴らで毎日が楽しかった。
ただ、お寺なせいか立地のせいか、変なこともたくさん起こっていた。
それでも深刻な心霊現象とかはなかったので皆酒の席で面白おかしく語るくらいで終わっていた。

ある冬の土曜日、1年生のいじられ役の孝夫が、サーセンwww今日は女子高とカラオケいってきやすwww多分帰りやせんwwwwと出かけた。
他の何人かも週末を実家で過ごすために去り、寮には俺と同級生2人、後輩1人の4人となった。
夕食後いつものように寺の正面を見下ろす一番見晴らしのいい梶君の部屋で飲み会が始まった。

ゲームとかしながら飲み続け11時を回るころ、お?孝夫が帰ってきた?と誰かが気付いた。
200メーターくらい先の寺の門の前にいる孝夫に、たかおーーーっと呼ぶと大きく手を振って応える。
孝夫は酒が入ってるのか急な石段を避けて、夜は通るなと言われてた山道の方をふらふらと登ってきだした。
たかおーそっち登んなってーwww滑って死ぬぞーwwwいや死ね!!などと茶化してたら孝夫は俺らに向かってファイティングポーズをとってシャドーパンチを繰り出した。

俺らがそれを見てゲラゲラと笑ってると孝夫は尻を突き出してシャドーパンチ。
体を水平に曲げて尻を突き出しくるくる回ってシャドーパンチ。
俺らはそれを見てさらにゲラゲラと笑ってた。
孝夫が山に向かって尻を突き出しシャドーパンチを繰り出してると孝夫の体がふらっと揺れた。
そして何かに掴まれたようにガクっと右の山に引っ張られるような格好になった。
俺らはさらにゲラゲラwwwやってるやってる孝夫ちゃんサイコーなどと見てた。
孝夫はぐいぐい山に引っ張られるように体がYMCAのCが極端にCみたいな両手を頭から持ってかれるようになった。そろそろ飽きてきたころ、孝夫がダズゲデーっと叫んだ。
あーもう飽きたよ他のやれよ状態で見てると、後ろに束ねてた孝夫のロン毛が水平に引っ張られた。
そして白いパーカーも引っ張られ、脱ぐときみたいにバンザイしてた孝夫の顔の顔が隠れジーパンのずり下げられた腹が見えた。

マジだ!
マジだよ!!
マジっすね!!

おい坊さん呼んでこい!!

と4人で一斉に坊さん呼び出し。
坊さん炬燵でHな深夜番組を見て酒飲んでたところに孝夫がもってかれるーーと飛び込んだ。
坊さんは白い浴衣みたいなのでフンドシ出して猛ダッシュ。
夜は山道通んな言うとったろーがーっとはだしでばたばた駆け出した。
孝夫はもうすぐ山の中。

うわーやべーよ孝夫山の人になっちゃうよ坊さん間に合え~と俺ら応援。
すげーなリアル孔雀王見れるよ坊さん勝てよマジでなんて見てたら坊さん
あqwsでrftgひゅじこlll!!!!!と念仏なのか何かの掛け声なのか分からない叫びとともに孝夫に突撃。引っ張られる側の反対を持ってぐいぐい引っ張り返した。
力対力かよ!!と突っ込んでるとイデデデデデマジイデーーと孝夫。
構わず引っ張るおっさん。負けじと引っ張る山。

暫く引っ張り合いの結果最坊さんやっと勝って孝夫解放。
よかったよかった。
後で孝夫に聞いたら山の木の間にびっしり人の顔があったんだって。
翌日の日曜日、坊さんが小学生でも飛び越えられる垣根を門の下に作ってた。


終わりです。
ほんのりも怖くないですが別の友人から酒の席で聞いたお話しでした。

前の話へ

次の話へ