パチパチという音

51 :本当にあった怖い名無し:2006/11/10(金) 18:00:42 ID:O/aeWa8e0

長文です。

 昨年、8月も終わり頃のことです。
深夜、見たい海外ドラマがあったため、起きていました。
 2時半頃の時刻でした。
 パチ  パチ  パチ と、定期的な間隔で、部屋の電気のスイッチを押すような音が玄関から鳴りだしました。
 音は一向に途絶えることはなく、ドラマを見ている最中には鬱陶しいもので、原因をつきとめに玄関に向かいました。
何かが、風に吹かれて窓か戸のガラス部分にぶつかっているんじゃないかと思っていました。

 玄関一体に響く音は大きく、『外』ではなく、『室内』で音が鳴っているような感じでした。
どこからその音が鳴っているのか、方角は掴めませんでした。

 玄関にある小窓からは、全く風は吹き込んできていませんでした。
窓に何かが当たっている という予想は却下されました。
玄関とは違う方角に小窓がありますから、玄関の方面だけに風が吹いているという可能性を考えました。

 ですが、玄関から外に出て、確かめたくはありませんでした。
「多分、外に出ちゃいけない。ドアを開けちゃいけないだろうな」と、幽霊を信じている(…友達と二人で見たことあるんで…)自分は弱腰になって居間に戻りました。

 深夜四時、海外ドラマを見終わった時刻になっても、音はまだ鳴り響いていました。
ダッシュで玄関横の階段を駆け上り、自室に入ってドアを閉めました。

 玄関の戸と私の部屋の窓は同じ方角を向いていますので、玄関の戸の方角は風が吹いている状況かを確認することができました。
風は吹いていませんでした。

 朝日がカーテンを照らす時刻になると、音が鳴り止みました。
朝6時頃でした。
やっと音が鳴り止んだ…と思った時、家族の1人が起床。
部屋から出てきました。

家族はその音を聞いていませんでした。

 その音はラップ音と確定していいんじゃないか、と少し疑いました。

 そして、5日程後。
 寝ようとしていた、深夜2時半頃。
またパチパチという音が鳴り出しました。
 前回と同じ等間隔、同じ音。
けれど、音量は違って、大きくなっていました。
近づいてきたのです。
音の大きさからして、階段のあたりから。
  パチパチ音=ラップ音に確定。
 怖くなって、開けていた部屋の戸を即閉めました。
ラップ音は階段から。部屋を出て兄弟のいる部屋に転がり込む気には当然なれません。
1人でナニかと遭遇したくもないし、見たくはありません。

 最後に時計を見たのは4時でした。
いつ音が鳴り止むのかを聞き届けず、寝入りました。
(家族は、また音が鳴っている時に起きておらずでした……)

 さらに、半月程度経ってから。

 夕方でした。親兄弟は出払っていて、祖父母と私が家に居ました。
自室にこもっていると、パチ、パチ、パチ、という音が2階の階段付近から聞こえてきました。(部屋の戸は閉めていました)

 パチ、と一度目の音で、直感的に、あのラップ音だと思いました。
 階段を上ってくる足音は聞こえませんでした。

 衣擦れの音が聞こえました。
そして、兄の部屋のドアが開閉したと思われる、ギィという擬音。
 再び、衣擦れの音。
さらに、パチ、パチ、という音と衣擦れの音と、何かをしている雑音が続きました。

・うちの祖母は、階段を上る際は全く足音を立てない。
・けれど電気のスイッチを押す回数が多すぎるし、電気を付けてから消すまでの間隔が速すぎる
=祖母じゃない。
  あのラップ音で決まりだ。

 最後に聞こえた雑音から3秒ほど経って、意を決して自室を出ました。
 誰かがいるはずの階段、廊下には誰もいませんでした。兄の部屋、他の部屋にも。
すぐに一階に降りて、念のために祖父母に、さっき二階にあがったかを聞いたけれど、やはり「上がってない」と返ってきました。
 祖父母は、2人でずっと料理をしていたそうです。


 結局、実害になるようなことはありませんでした。
音を鳴らしていた『ソレ』が自室に入ってしまった兄の方も、全く問題がありませんでした。(霊感皆無だからかな…?)

 正体が見れたかもしれない点では、3度目にラップ音が鳴ったときに、ドアを開けておけば良かったのかもしれません。
 でも、開けていなかったから何も起こることはなかったんでしょうね…。


 後日談として、関連があるかどうかは分かりませんが、今年の春終わり頃、弟が、弟の部屋で「風も吹いていないのに、窓からパチパチという電気のスイッチを押すような音が聞こえてきた」という体験をしています。
(以来、1人で2階にあがるのを怖がっています(高1…笑)

前の話へ

次の話へ