M君

470 :田舎 ◆QRFWxIoZaU :2006/09/07(木) 21:45:52 ID:K12lmOrl0

俺の通ってた小学校は集団登校が義務付けられてたんだ

六年の時、俺の班は大体7~8人で、全部同じマンション。そこに4年生にM君ってのがいた
M君はスゲーおとなしくて、口数も少なかった。
両親も健在で、いつもニコニコしてた。
ある日、学校から帰宅し、何気に窓から外を見ると
全裸になり踊り狂うM君が居た。マジでビビったので、一瞬顔を引っ込めたんだ。

何かの間違いかと思い、もっかい顔をだす。やはりM君は踊り狂っていた。声も出さずに。
しばらく見ていると、ピタッと足を止め、駐車場の真ん中で小便をしだした。
小便をしている最中、ずっと真っ直ぐ前を見て、微動だにしない。
出し終えると、小便で出来た水溜まりの上を飛び跳ねていた。

俺は恐怖と不思議さで、その光景から目を離せずにいた。
少し離れた位置には、M君の服がきちんと畳まれ、重ねられている。
異様なまでの静けさの中、小便溜まりのぴちゃぴちゃという音だけが響く。
やがて、M君の母親が、
「Mから離れろ!離れろ!」と叫びながら走って来た。
ボロボロ泣きながら、M君を引きずっていく母親。
連れ去られながら、M君の首が、機械のような動きで、5階から見おろす俺を見た。目があった。
瞬間的に金縛りのようになり、目を反らせない。
M君はニヤリと笑い、そのまま連れ去られた。

得も知れない恐怖で、しばらくそのまま立ち尽くす俺。
ふと我に返ると、顔を出していた窓の縁に、小さな水溜まりが出来ていた。
自覚もなく、俺は目が腫れ上がるほど涙を流していた。

親にも言えず、その日は寝られなかった。次の日は学校だ、当然M君も一緒。

次の日、M君はいつものように、うつむき加減に歩く。まるで何もなかったかのように。

あれから、俺には霊を認識出来るようになった。
が、あの時のM君に何が起こっていたのか、知る術はもうない。

以上、実話。駄文、長文スマソ

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