逗子の海

399 :本当にあった怖い名無し:2006/09/05(火) 19:16:25 ID:4kx/VW7N0

えー、これはあたしが学生の頃の話なんですがね。
夏も終わりかけた、8月の下旬くらいだったかなぁ。
当時の仲間と一緒に、車でもって逗子の海に行ったんだ。
泳いだり日焼けしたり可愛い女の子に声かけたりなんかしてねぇ、へへへ
さんざんぱら遊んで日も暮れてきたってんで「おいそろそろ帰るか」「おーそうだな」
夏の楽しい思い出を残して、元来た海岸沿いの道をまた引き返すわけだ。
あたしは後部座席で夕日に染まる海をこう見てたんだなぁ。
海岸てのは面白いもんで、人がたーくさんいる所もあれば人気のまーたくない所もある。
ちょうどその、人気のない海岸にさしかかったところなんですがねぇ、
ごつごつした岩場があって人がだーーれもいない。
と、思って見てたんですがね。。。ん?誰かいる。
ごつごつした岩場を独りの女の人が、ゆーたゆーたゆーたゆーた歩いてる。
遠くからなんで詳しくは見えないんですがね、これがどーーも様子が変なんだ。
黒くて長ーい髪にこれまた黒いワンピース。それが重そーーに揺れてる。
あたしピーンときた。彼女全身ずぶ濡れだ!って。
他にだーれもいない海岸。全身ずぶ濡れで今にも倒れそうに歩く女。
「おい見ろよあの女!」「うわ全身濡れてないか?!」
こりゃ自殺でもはかったのか、なーんてこと言いながらどきどきして見てたんですよ。
ちょうどその時、対向車線から大きなバスがやってきましてねぇ、視界が遮られたんだ。
バスが過ぎ去ってもう一度パッと見る・・・・
もうだーーれもいない。だーーれもいない海岸。
夏の海、そこには色んな思いが秘めれれてるんでしょうねぇ。。

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