並谷さん

961 :並谷さん 1/2:2006/08/23(水) 16:17:57 ID:teSMmtQu0

本当にほんのり香しい程なので、暇つぶしにでも読んでちょーだい。

俺の通っていた小学校は山の上にあった。
学校の横には結構な規模の墓地がある。

まぁそんな環境でも、通ってると慣れてしまうわけで。
当時こっくりさんが流行っていたが、
俺と友人数人も御多分に漏れず、やったことがある。

それ自体は実にありがちな、色々と質問して答えて貰ったりして、
最後にはこっくりさんが帰ってくれない、とかだった。
確か「ついていく」とか言われた気がする。
それでみんな怖くなって、終了の手順を踏まずに
我先にと帰ってしまった記憶がある。

で、そのこっくりさんに「あなたは誰ですか?」
と聞いた時の答えについてなのだが
「にたみな」と、訳の分からない言葉が返ってきたのだ。
他の質問には比較的まともに答えてくれてたので
その場の全員が「?」になった。
で、誰かが言い出した。「これ、逆に読むんじゃね?」
「ああ、並谷さんなのかな?」「おお、並谷さん」「並谷さん」
こんな感じ。

その後、クラスでは数日間は並谷さんの話題で盛り上がってたりした。
何かあると「お前に並谷さんがついてるんじゃね?」とか
ふざけ合ってたりした。まぁそれらは懐かしい思い出なのだが。

先程、この出来事をふと思い出したんだ。
「懐かしいなぁ、並谷さん」て。
でも、気づいたんだわ。元々の言葉の意味を。
「にたみな」だったって事に。
当時は全く気が付かなかったんだけど、
「似た皆」だったんじゃないのかな、と。
当時の俺達と同じ小学生だったんじゃないかって。

そう思うと帰る事をひたすら拒絶し「ついていく」と言ったあの言葉が
子供特有の純粋さとか寂しさを感じられてちょっと切なくなった。
と同時にほんのり怖くなった。
今もあの時のメンバーの誰かに子供の霊がついたままだったら・・・。

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