夜の父の見張り

232 :本当にあった怖い名無し:2006/08/04(金) 22:49:26 ID:onesFm3D0

流れぶった切ってほんのり怖かった話。

私は大学在学中に軽い精神病を患い、それ以来実家の世話になっている。
一応仕事は与えられていて、ひとつは家事、もうひとつは夜の父の見張りだった。
父はひどい大酒飲みで、酔っ払ってしまうとトイレを汚したり、ひどいときには場所を間違ったりもする。
そういう時叱ったり一緒に掃除したりするのが「見張り」の仕事だ。
私と父の部屋は別棟にあり、奥が私の部屋、隣が父の部屋でそのすぐ目の前には階段があり、
降りたところにトイレがある。
監視の意味も込めて、部屋を隣にしてるそうだ。

ある日の夜トイレに行こうと階段を降りると、スリッパに滑るような感覚があった。
よく見ると、水だった。
またかと思って父を叱り飛ばそうと部屋を開けると、そこには誰もいない。
そういえば、今夜は父が部屋から出る足音を聞いていない。
・・・更に記憶を辿る。思い出した。父は今日は泊り込みだ・・・

勿論自分で水をこぼした記憶もないし、雨漏りの形跡もない。
改めて恐る恐る水を見ると、それはぽつぽつと足跡のように続いていて、
辿っていくと勝手口の、細く開いたところまで続いていた。
でかいナメクジでも入ってきたのかなーと無理やり笑おうとした時、気づいてしまった。

水跡は、私の気づいたところ、つまり階段の中ほどで止まっている。
もし何かが入ってきたのだったら、すぐ近くにいるはず。
もし何かが出て行ったのだとしたら、音で気づくはず・・・

怖くなって一晩中大音響で曲を流しながら起きてました。
今でも時々父が粗相をすると、その時のことを思い出してまさにスレタイ通りほんのりな怖さがあります。

読んでる人は怖くないだろうなぁ・・・スマソ

前の話へ

次の話へ