ペン貸して

187 :1/3:2006/08/03(木) 17:25:29 ID:RjPhWifO0

以前とあるスレに書き込んだやつのコピペです。万が一概出ならスマソ。

私はとあるビルで管理業(要は常駐警備w)しているのですが。
このビル、かなり古くからあって一度は焼失したらしいです。
だからという訳でもないでしょうが私はここで二、三度妙な体験をしました。
その体験を書き込みます。

私が普段一人でつめている事務所は4Fにあり(地上5F地下2F)、部屋は二つあります。
テナントに入っている業者の関係上、朝八時から夜中一時までが勤務になります。
一時まわった後はビルを全て施錠して、セ○ムをセットして退出するのですが、時々
テナントさんの都合でそのビルに泊まりこむ必要が出てきたりします。
そういうときは事務所の奥の部屋で仮眠することになります。

その日は事務所に宿泊することになり、夜中二時半に一応ビルを全て施錠。
セ○ムはセットすると自分の動きに反応しちゃうのでセットしません。
そしてベッドに横になりうつらうつらしていると・・・なんだか近いところで
子供の遊ぶ声がするんです。
位置的には事務所を出てすぐの廊下だと思いました。
こんな時間に子供がこのビルにいるわけないし最後の巡回でもなにも見当たらなかったし。
夢かな?と思ったんですが声は鮮明に聞こえます。
しかも私に対して話しかけてきているようです。
曰く「お兄ちゃん、嘘ついたらいけないんだよー」
と、これは(推定)小1くらいの女の子の声。もう一人同じ年くらいの男の子もいるようです。
疲れてるのかなあ、とか思いながら寝返りをうとうとすると体が動きません。
ありゃ、金縛りか、久々だなあ。(何度か経験済み)てことは霊現象?

私は以前友人宅で明らかに悪意のある霊現象を喰らった事がありました。
それと比べると全く怖くはありません。
何より子供たちからは悪意のようなものは感じ取れませんでしたから。
むしろ無邪気に私に話しかけてるような感じで。
可愛いもんだ、と思って基本スルー。
ただ半端に寝返り途中で止まった体がちと寝にくい、そんなことを思うだけでした。

そうこうしているうちに、パタパタとスリッパの足音が事務所の部屋に入ってきました。
追いかけっこでもしているようで、机の周りで足音がしています。
そのうち走りつかれたらしく、足音が少なくなりました。
息を切らせた男の子が私に話しかけます。
「お兄ちゃ、ペンかっ、ペン、ペンか、・・・ペン貸して!」
かみまくりでしたw
その頃になると疲れがたまっていた私は眠さが極限にきていました。
そこでこう頭の中で返したのです。
「あーはいはい、ペンは借りてもいいから、そのかわり寝させてくれ、お願い」
すると。
何の反応もなくなり、あたりは静寂につつまれました。

いぶかしんでいるとしばらくしてから、ペタ、ペタ、と足音が仮眠室に近づいてきます。
流石にすぐそこまで来ると私もゾワゾワと鳥肌が立ちだしました。
敵意とかは感じませんが、やはり少し怖いw
本当に来てるのか?と確認したいのですが首は動きません。
ただ二人の子供(のようなもの)が私の枕元に来たのはわかりました。
そしてちょっと間があってから私に言うのです。

「お兄ちゃーん、貸して貸してー」
「お兄ちゃんの身体貸してー」

次の瞬間、意識が頭頂部から横に引っ張り出されるような感覚が。
以前無理矢理幽体離脱みたいなものを喰らい掛けた時には重力に対して上に引っ張られました。
なのでなんか新鮮な感覚wうわようじょつよい、・・・とか言ってられません。
しかしこういう時って実際に気を抜くと本当にどっか行っちゃうんでしょうかね?魂。
怖いんで試したことはありませんが。

この時はそれこそ脱糞しそうなほどの気合で抵抗しましたよ。
それでも手足の末端がしびれて感覚が遠のいていくんです。
ただその時、私の内面では仮眠を邪魔された苛立ちが怒りに転換されつつありました。
そして私の口からほとばしる雄叫び。 何言ったか覚えてませんが。
金縛りって無理矢理声を(できれば大きいのを)出すと強引に解除できるんですよね。 (私の場合は)
で、まだ完全には自由を取り戻せていませんが、なんとか首を巡らせます。
瞳にはおそらく凄まじい敵意、つーか憎悪が漲っていたんじゃないかなあw
枕元を見やると黒いもやみたいなものが一瞬眼に映った気がしましたが、すぐ消えました。
完全に金縛りが解けたので跳ね起きて周囲の点検をしました。
特に異常はありませんでしたが、ペン立てに刺さっていたペンが一本床に落ちていました。

あれはやっぱり霊だったんだろう、と自分では思います。
でも悪いことをした気もしているんですよ。
子供たちからは身体貸して、というときも悪意は感じなかった。
なのに私は激しい怒りをぶつけようとしたわけですから。
でも、まあ、それなりに怖い思いをいたしました。

死ぬほどってわけでもないんでこのスレ向きかなあ、と思いまして書き込んでみます。

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