赤ちゃんの泣き声

182 :本当にあった怖い名無し:2006/08/03(木) 16:10:31 ID:B//sp4sB0

友人の家に遊びに行った時の話。

久々に会った友人と話がはずんでしまい、
気付くとけっこう遅い時間になってしまっていた。
友人が最寄の駅まで案内がてら送ってくれるというので、
二人で一緒に駅まで向かった。
友人宅は閑静な住宅街の中で、夜中になると特に
人通りも減り、街灯も少なく、女一人で歩くのは
ちょっと心細いかな~ついてきてもらってよかったと
ビビリな私は友人と話しながら思っていた。
しばらく歩いた時、斜め前方から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
住宅街で赤ちゃんの泣き声が聞こえること自体は
珍しくもなんともないので、特にそのことに触れるでもなく
友人と話を続けていたのだが、泣き声に近づくにつれて、
「赤ちゃんの声にしてはなんだか変だ」と思えてきた。

友人も同じことを思ったようで、二人で顔を見合わせた瞬間、
すぐ横の家から、バァン!とすごい音(格子戸を思いっきり
開けたような音)と共に、
「ミナコミナコミナコミナコミナコォォォオオ!」
と女性の大絶叫が。
あまりのタイミングに心底ビビってしまい、
二人でしばらく抱き合ってその場に竦んでしまったのだが、
その間も「うわあぁぁぁあああ!ミナコミナコミナコォォォ!」
と絶叫は続く。
生垣があるのと暗いのとで、その家はよく見えないのだが、
ちょっとくたびれた感じの日本家屋で、なんとなく「黒い家」を
連想してしまう雰囲気で、恐怖感倍増。
しばらくすると、絶叫の主は家人におさえられたのか、
カラカラと戸が閉まる音の後、また赤ちゃんの泣き声のような
声が聞こえ始めた。
どうやら赤ちゃんの泣き声の正体は、あの絶叫の声が
壁や扉で遮られて外に響いたものだったらしい。
「すごかったなぁ、びっくりした~」と友人とタハハと脱力。
友人によると、その家にはどうやら電波さんがいるようで、
たまにその家の玄関などに意味不明なことを書いた紙が
貼ってあったりしているらしい。

内容から言うと大した話じゃないけど、
タイミングといいその家の雰囲気といい、
今思い出してもほんのりと怖い体験でした。
大した話でなくてスマソ。

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