マムシ

877 :本当にあった怖い名無し:2006/07/25(火) 02:28:21 ID:KdcCcPgF0

いでにもう一つ。話してくれたのが父方のじいさんなので、昔話をもとにした創作みたいなものかもしれないのですが。

じいさんは野生のマムシ(毒蛇)をとっ捕まえて捌いて干し、体調を崩したときなどによくそれを炙って食っていたのですが(因みに私も食わされました)。
私の小さいころには、じいさんの家に遊びに行くと玄関先に蛇が五本以上干してあるのが普通の風景という、蛇嫌いな人には嫌な家でした。

その日の昼もじいさんはマムシを捕まえてきて、干してから昼寝をしていた。
すると夢に、見たことも無い仙人みたいなじいさんが出てきたそうです。
その人は「別に殺されて食べられる分には構わないのだけど、まぁできれば殺してほしくもないのだけど。せめてもう少し捕る量を減らして後は見逃してはくれないか」と困った顔でじいさんに告げたそうです。

それからもじいさんは捕るのは止めていないのですが、玄関にぶら下がっている蛇は常に一、二本くらいになりました。
そのご利益か何かは知らないんですが、それまで稲刈りの時はマムシに噛まれる奴がうちの家系では結構いたのに、ぱたりと誰も噛まれなくなりました。

蛇の恨みについては恐ろしい話しか聞かないような気がするのですが、マムシは随分と気が弱い上になかなかいい奴だな、と感じました。

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