736 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 23:39:18 ID:SOuODFnH0
連レスになってしまいますが、まあ怖い話にも色々な形があります。
上みたいな、ぶっちゃけ嘘くさい(自分だって信じたくねーよ)霊的な話では
御座いませんが、正直私にとってはこちらの方が恐かった……な話。

中学生の夏のこと。
友達とみんなでお金を出し合い、花火を買って公園で集まってちんけな花火大会を
開いたので御座います。
最初は純粋に花火を楽しんでいた私たちでしたが、その内に、花火の明かりに引き寄せられる
蛾などの羽虫を焼き殺す方を楽しむようになったのです。
火がつくとふらふらと地面に落ちてゆき、その脆い鱗粉で出来た羽根が徐々に燃え尽きて
行く様子は、なんだかエロティックかつサディスティックで、私は一心不乱に蛾を
燃やしておりました。
公園には街灯が立っていて、私はそこに、めちゃめちゃ巨大な蛾の姿、さながらドン・蛾
といった蛾の舞っているのを見つけたので御座います。
「燃やしてぇぇぇ……」子供というのは残酷なものなのです。
私は街灯のところまで花火を持って行き、蛾が近づいてくるのを待ちました。
すると、ドン・蛾は何を思ったか、いきなり私の、短パンで素足だった太ももにしがみ
ついて来たのです。
思った以上にデカイ!20㎝くらいはあります。
私は悲鳴を上げました。団扇で叩いても、足をぶんぶん振っても、ドンは許してくれません。
友達が払ってくれなかったら多分泣いていました。いや、もう半泣きではありましたが。
しかし、本当に恐いのはこれからだったので御座います。

翌日、宿泊学習が近かった私たちは、体育の授業で定番中の定番・オクラホマミクサーの
練習をしておりました。
踊っていて、ふと違和感に気付きます。足の膝から太ももにかけての部分……つまり、
前日にドンにやられた箇所が異様にむず痒いのです。
ジャージをまくってみると、大きめの水泡が5,6個くらい、太ももにぷつぷつと出来ておりました。
まあ生活には支障ないだろうと、私は華麗にスルーして踊りに戻りました。
その途中、何かの拍子で転んでしまい、その時に「ぷちん」という感じの音がした
気がしました。「ああ、潰れて膿が出たんだな」とその時は思ったのです。
しかし、なんだか足が相変わらずヘンなので、体育の授業が終わると私はトイレに
入り、ジャージをまくってみました。すると、
なんと転んだ拍子に水泡が押しやられ寄り集まり、一つに固まったように大きくふくれあがって
いたのです。……ギャグマンガのタンコブ、といえば大体のイメージは付くと思います。
あんな感じの物が、太ももに出来ているのですから、私の戦慄もご理解頂けると存じます。
怖くなった私は、学校が終わるとすぐに家に帰り、母上に相談して(母上の方が何倍も
驚いておりましたが)とりあえず病院へ。
診断によると、私は蛾アレルギーなんだそうで、蛾の鱗粉を触るとこうなるらしいので御座います。
しかし、先生もこんなに張れてるのは初めて見たと、気味悪げにおっしゃってくれました。
げに恐ろしかな、蛾の鱗粉。……今思えば、写メの一つでも撮っておけば武勇伝になった
かも知れないというのが心残りで御座います。

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