小さな霊園

735 :本当にあった怖い名無し:2006/07/20(木) 23:38:29 ID:SOuODFnH0
今年の四月から、高校進学のため光回線も通ってない超過疎地から札幌へ越してきたのですが、やっぱり都会は生きてる方も死んでる方も多いのか、なんだか霊体験もどきをする機会が増えた気が致します。
例えば一つ。
私は某区にある某二流私立高校の寮住まいなのですが、その最寄り駅から一駅行った某駅の近くにブコフがあると聞き、近所を散策がてら一駅分自転車でへらへらサイクリングを気取っていたので御座います。
確か黄金週間の頃のこと。
その頃はまだ、当然土地勘も糞もない田舎者で御座いました故、道も解らないまま、とにかく線路に即して走ったので御座います。
途中、線路脇の歩道が跡切れてしまい、仕方なく不安になりながらも迂回した私がたどり着いたのは、いかにもというべきか、小さな霊園で御座いました。
……もっとも、夜ならともかく今は昼間、私は特に怖いとも思いませんでした。
その時は、で御座いますが。
墓地の脇の小径を「失礼しまーす」などとおどけていいながら、私は自転車で通り過ぎました。
そして、線路の方へと戻るべく、自転車を進めたのですが……
ここからが味噌。
少し行くと、再び同じ墓地にたどり着いてしまったのです。
もちろんその時は自分の田舎者故の方向音痴を自嘲しただけでしたが、その後ふと気付いてしまったのです。
私は一回目に墓地の小径を抜けたとき、一度左(墓地から見て線路の方向です)に曲がってからはずっとまっすぐ走ってきたはずなのです。
でも、それなら地球を一周でもしない限り、同じ場所に戻ってくるわけがない。
私は慌てて自転車を漕ぎました。
その後は普通に線路沿いの道に出ることが出来、駅までたどり着くことが出来ましたが、パニックに陥っていた私はもうブコフどころではなく、そこに自転車を放置し自宅へ逃げ帰ったので御座います。
ちなみに翌日、自転車を拾った帰り、冷静さとミステリマニアの側面が戻っていた私は、昨日と同じ事が今日も起こるか、起こるならどんなカラクリか、調べるためにあの霊園に向かおうとしたのですが、何故か霊園を見つけることは出来なかったので御座います。
小さな墓地だったためか(そう思いたいですが)地図にも載っておらず。←怖いので意地になって探した馬鹿
結局あれは何だったんでしょうか……?

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