二段ベッド

18: 本当にあった怖い名無し :2018/05/04(金) 00:27:04 ID:vdGC5mEw0

ふと思い出して「あれは気持ち悪かったな」と改めて思ったので、こちらに失礼します。

もう10年程の出来事です。当時の私は低めの柵が張ってある二段ベッドの下段で寝起きしていました。
ベッドの上段は姉が使っていたのですが、当時彼女は大学へ通う為に遠方で一人暮らしをしていたので、
上段には姉が実家で使っていた予備の布団が半ば放置という形で常に敷いてありました。
いつもの様に下段で一人就寝していると、ふと夜中に目が覚めたのです。
そして何の気なしにベッドの上段へ登る為に掛けてある簡素な梯子を見て、ある事に気付きました。
何故か上段から姉の掛け布団の一辺が梯子の中程まで垂れ下がっていたのです。
私が床に就く前は絶対にこんな風にはなっていませんでした。なぜそう言いきれるのかと言うと、
当時の私は常夜灯として豆電球を灯していないと眠れない体質でした。

その豆電球を灯すためには、一旦寝床から身を乗り出して
下段の柵に足を掛けて立ち上がる様な格好になって手を伸ばさなければ電灯の紐に手が届かなかったのです。
寝る前には絶対に上段の掛け布団はきちんと敷かれていた、
それをハッキリと覚えていた私はその垂れ下がった掛け布団の端を見てまずは不思議に感じました。

上体を起こして梯子に掛かっている姉の掛け布団の端をつついてみたりして
『不思議だな』と首を傾げ垂れた布団を戻そうとして、いや待てよ、と動作を一旦やめました。
寝る時には絶対にこんな事にはなってなかった訳ですし、
誰かが部屋に入ってきたら目が覚める程当時は1人寝に不慣れで眠りの浅かった私がこの布団が垂れ下がるまで目が覚めなかったのはおかしい。

更に、1つ部屋を隔てた先で眠っているはずの父がこんな意味不明な事をする為に夜に部屋に入ってくるはずがありません。
そこまで考え、私は言い様のない気持ち悪さにかられました。
そしてその垂れ下がった掛け布団を見なかったことにして、少々息苦しいですが布団を被って無理矢理眠りにつくことに。
再び目が覚めたのはいつも通り目覚まし時計に予めセットしていた時間でした。

そういえば夜中に姉の掛け布団が垂れ下がっていたな、と梯子を見上げると、
そこには梯子のみがかかっているだけで別段異変はありませんでした。
母がきっと片付けてくれたんだ、と無理矢理自分を納得させ、そしてリビングへ。
丁度そこにいた両親に「布団、ちゃんと直してくれたんだね。夜中に垂れ下がっててビクッた」と半ば笑いながら告げると、
両親とも不思議そうな顔で首を傾げました。
「夜、用事もないのにあんたの部屋に行くわけないでしょ」

私はその時、あの夜中目が覚めた時に上段をのぞき込まなくて良かったと心から思いました。
もしかしたら、その時上段には見知らぬ誰かが眠っていたのかも知れません。

後になって話してくれたのですが、この家に住んでいた時、度々こういう体験を姉はよくしていたらしいのです。
彼女がよくこういう事に遭遇していたのは、上段にいるのかもしれない私達家族以外の誰かのせいだったのかもしれません。

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