今どこらへん?

837 名前:そのいち。 :2006/05/11(木) 02:06:35 ID:aSpxm+9n0

地方の大学へ行ってる友達がお盆なので帰省するというので
そこまでドライブがてら車で迎えに行く事にした。

友達が大学へ入学してから仲の良かった俺は何度か迎えに行ったり遊びに行く事もあり、すでに走り慣れていた道。
その道は一般道路にも関わらず皆結構なスピードを出すので最初通った時は、
「ここは高速なのか」と思うような道だった。

地元のインターからその道に入ると相変わらずものすごいスピードで走ってゆく車。
俺も合流してそれなりの速度で車を走らせていた。いくつかのインターを過ぎた頃前を走っていたトラックがハザードを炊き始めたのに気がついた。
高速なんかで後続車へ止まるぞ、と注意を促す合図。
俺も後続車に追突されてはかなわんのでハザードを点けスピードを落とし止まった。
坂の頂点にあるトンネルを出たばかりの俺はずーーと赤く下り坂に合わせて続く車のブレーキランプを見て
「あー…ついてないな。こりゃ時間かかりそうだ」
しばらくは動かないであろう渋滞の列にゴチてサイドブレーキを引いた。

30間程たったと思う、まったく進む事のない列にただの渋滞ではなく「事故だな、それも結構大きそうだ。警察が両車線塞いで処理してんだろ」と思いどちらの車線も進まないのでインターで降りる事も出来ず処理が終わるまでこのまま待つしかなかった。
友達に△インター前で渋滞にはまったので遅れる、とメールを送った後何時進むかわからない渋滞の列を眺めていると前方の車が動き出すのが見えた。
「やっと動き出した」
のろのろとだが動き出した車に合わせて俺も進む。
しかしいつまでたっても時速10キロ程度で俺は進んだり止まったりを繰り返す。
痺れを切らし途中の□インターで下りた。

するとすぐにメールを送った友達から電話が入る。
「今どこらへん?」
「何時までたっても渋滞解消されないから□インターで下りたよ」
「…俺、友達が地元に戻るって言うからお前が俺拾い易いようにお前が渋滞はまってる△インターで下ろして貰ってお前待とうと思って○○走ってきたんだけど」
「ああ、そうなんだ。で、今どこにいるんだ?」

友達が言った。
「渋滞、どこでしてるんだ?」
友達は俺が渋滞から抜け出す為に下りた□インターを通り越し△インターに居た。
しかし対向車線で渋滞しているのを見なかったと言う。
それどころか車通りが何時もより少なかったとさえ言った。

俺か、友達、どちらがおかしな世界に入っていたのかは未だにわからない。
今でも思い出すとほんのり怖いお話。

わかりにくいかもしれん。スマソ

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