黒髪のおかっぱの少年

457 名前:本当にあった怖い名無し :2006/01/22(日) 04:42:29 ID:GIot9b2kO

ある休日の朝。
擦り硝子の窓から部屋いっぱいに溢れる朝日の眩しさで目を冷ましました。
あまりの眩しさに目を細めて寝返りを打ったとき、不思議な光景が視界に入ってきたのです。
何と、窓辺の棚の前に黒髪のおかっぱの少年が立っていて、私の財布をあさっているのです。
私は寝起きのせいで、夢と現実の境目で朦朧としたまま「誰?」と尋ねました。

すると、少年はゆっくりと振り向き、私を見て「もうちょっと寝てなよ」と優しく囁くような声で言いました。
逆光で顔はよく見えませんでしたが、十二~四歳の声変わり間近の少年だったと思います。
私はその声に導かれるように、深い眠りに落ちていきました。
それから、昼過ぎに目を覚まし、朝あった出来事を思い出し財布の中身を見てみました。数千円しか入っていなかったので、あまり心配はしていなかったのですが、何と、数万円もの札束が入っていたのです。

親もとても驚いていました。
少年のおかげで家計は大助かりでしたが、一体、何者だったのか。不思議で不思議でなりません。長文、駄文すみません。

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