お化け屋敷

871 名前:本当にあった怖い名無し :2005/12/17(土) 19:07:46 ID:nfXXxAuD0

小学生の頃、どこにでもあるような『お化け屋敷』が近所にあった。
遠目からみると随分古くて、いかにもな風貌。
そしていつからか子ども達の間で「髪の長い女の幽霊が出る」って噂になり、
仲間内で行ってみよう、って事になって、友人数人で昼間だけど忍び込んだ。
台所の小さな窓が一枚不自然に切り取られてて、そこから中に入る。
大きさは大人でも頑張れば入り込める程の大きさで、オレ達はなんなく侵入できた。

中は呆気にとられる程小綺麗で、外から見るより全然新しい建物だった。
家具もゴミも殆ど無かったのに、何故か針金のハンガーが足の踏み場も無い程床一面に散らばっている。
不気味といえば不気味だけど、なんだか思っていたより綺麗だった事でオレ達の怯えは一気に消し飛んでしまった。

一階は特に何もなく、普段チキンなのに気が大きくなっていたオレ達はそのまま狭い階段を上がり二階へ。
二階は大きな部屋が一部屋だけあり、雨戸が閉まっているため薄暗かったが
幾分か雨戸から光が漏れてて、結構辺りを見渡せる。
みんな部屋に入りジッと目を凝らすと、部屋の中央で何かの塊を発見。
ジリジリと近づいていくと、一匹の子猫だった。
最初は寝ているのかと思ったけど、動かないし何故か妙にお腹がへこんでいる。
不思議に思ったオレは、手に持っていた先程拾ったハンガーで子猫の右足を引っかけてひっくり返した。

と、露わになった子猫のお腹の中は空っぽだったのだ。
何かでえぐり出したかの様に綺麗に何も入って無く、その上腐っても虫も付いていない。
そして胸から走っている傷口はスパッとしていた。
オレ達の間に不穏な沈黙がのし掛かってきたその時、
オレの隣に居た奴がもの凄い悲鳴を発して突如出口に向かって走り始めた。
そうなると結構ガタブルってた他の奴等も釣られるように一斉にかけ始める。

やっと見えてきた台所の出口から飛び出した時、一番に走り始めた奴がワッと泣き出した。
安堵はしたものの流石に泣く程では無かったのに・・・とみんなで顔を見合わせて、そいつが泣き止むのを待った。

それから聞いた話だと、ソイツがふと顔上げた所に箪笥があってさ、
そこが少しだけ開いてて、お爺さんがじっとコッチを見下ろしてたんだって。

それ以来誰もソコに近づこうなんて言わなかったし、その話題自体タブーになった。
そして数週間後には壊されて新しい家が建ったけど、もう絶対この体験は忘れられない。

長文スマソ

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