夏物のブラウス一枚の妊婦さん

745 名前:本当にあった怖い名無し :2005/12/12(月) 07:40:37 ID:NrvBfRxS0

小中学校と習字教室に通ってたんだが、中一のときクラブで遅くなって教室出るのが十時回っちゃったんよね。
あれは真冬だったな、二月くらいか。
その教室の真横に長崎屋があってね、ちょうど裏口に面してて、そこが駐輪場になってるんでそこに自転車とめてたのよ。
そのへんは表どおりはわりと開けてて人通りがそれなりにあるんだけど、駐輪場のある側は民家半分畑半分て感じでその時間ともなると、真っ暗で人気も全然なくなるのね。
んで自転車回収して、ふと10数メートル向こうの長崎屋の裏口に目が行ったの。
ほら、ああゆう裏口の上に非常口みたいなかんじの明るい看板付いてるでしょ、その薄い明かりに照らされて二人掛けのぼろベンチが見えたんだけど、そこに誰か座ってる。
こんな寒い夜中に誰よ、と思いながら自転車押して近ずくと正体が判った。
夏物のブラウス一枚の妊婦さん。
しかもじーっとうつむいたまま編み物してる。
ちょっとびっくりして3メートルくらい手前で足が止まってしまった。
主観で10秒くらいその状態だったけど、顔も上げない。

良く見ると手が全然動いてない。

この時点でものすごい恐怖がわいてきた。
でも走れない、振り返れない。
目が離れない。自転車押しながらゆっくりゆっくり前通り過ぎるようにしか動けない。
視界からその妊婦さんが外れると同時に、自転車飛びのってボロ泣きしながら鬼コギしました。
今考えると夫婦喧嘩でもしたんかなー、て感じですけど、雰囲気が途轍も無く異様だったのはたしか。

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