事実を知ったら恐いケド
485 名前:本当にあった怖い名無し :2005/11/29(火) 17:26:07 ID:JiJon5cCO
軌道修正に、現在進行系の、事実を知ったら恐いケド、知らない今は地味に恐い話。
自分は霊感ある、とか言う人って痛いなあと思う私。
ただ、正直もしかしたら私は、「あるのかも」なんて思っているがそれは秘密。
ダイレクトに「見る」というより、「見たかも」というのが多く、やはり私は痛い子なのかもしれないが…結構よく「遭遇」する。
実家から、家族で移住し、姉は結婚して、母、姉との折り合いが悪い父は別居状態。
母と私の二人暮らし。
そこそこ古いアパートの二階、階段の横の角部屋なのだが、階段を上がる足音、部屋の前の廊下を歩く足音が、どんなに静かに歩いてもかなり聞こえる。
私は仕事が休みで、廊下に面したダイニングにいた。レースカーテン越しに廊下と外が見え、誰が通っても足音と姿を確認できる。
テレビを見ていて暫し、突然我家のチャイムが鳴った。
訪ねてくるのは新聞売りとか、宗教の勧誘くらいの物。基本的にめんどくさいので居留守をするのだが…あれ、今足音しなかったよね。
しかも、誰も廊下を通らなかったよね。
窓横にある椅子に座っていたのだから、誰か歩けば嫌でも気付く。では、同じ階の住人?
等と考えているとまたチャイムが鳴った。
窓からは玄関の位置を覗けず、違和感を覚えながら玄関へ向かう。
気配を殺して覗き穴から外を見ようとした時、見計らったようにまたチャイム。
ちょっとビビってすぐ扉を開けた。
…誰もいませんね。
「どちらさまー?」
等と、扉を開けた状態から外を覗かず、開いた扉から見える外だけ見て、何度か大きな声で言った。
やっぱり誰もいませんね…
嫌な違和感がずっと胸に渦巻き、何事もなかったように扉を閉めた。帰る足音も聞こえなかった。
再びダイニングに戻ろうと扉に背を向けた時、また、チャイムが鳴った。
今度こそは!と急いで扉を開けたが…
や、やっぱり誰もいませんね…あはは
という事が、私の休みの日に四回あった。
一日に四回ではなくてね、休み四回に、各一回づつ。
一緒に住む母には言わないでいたのだが、四回目の日、流石にビビって母に言った。
母はそんな経験無いと言っていた。嫌だね、なんだろねーとその話は終わったのだが…
それから数日後、私は仕事を三連休とって、旅行に出かけた。
折り合いの悪い父が、姉の最後の情けだった姉名義のクレジットカードで400万借金している事が判明した日に出発だった。母には悪いが、ゆっくり休みたかったので「何があっても連休三日間、私には連絡しないでね」と出かけた。
母を残してきた不安と、父への嫌悪とで嫌な気分だったが、なんとか楽しく三連休終えて帰宅。
玄関の鍵を開け、ただいま、と言いながら靴を脱いでいた時、出かける前には存在していなかった物に気付いた。
玄関の扉。その、覗き穴に、何重にも貼られたガムテープ。
その意味を、三ヶ月たった今も母に聞けない。覗き穴を覗いた母が、何らかの理由で貼った。という事だけ、とりあえずわかっているだけ。