どこから来たんだい

132 名前:130 :2005/09/18(日) 19:32:52 ID:2qE3Tq3W0

では、書かせてもらいます。 
 自分は、自転車が好きで、学生時代はよく自転車でツーリングに行ってました。 
ある時に、諸々の事情から海を渡り、ツーリングに出かけました。 
 その時は、いろいろな場所を通り、様様な方々と出会い、 
また、時には激しい風雨にさらされながらも、ツーリングを楽しんでいました。 
 そして、旅も終盤に近づき、帰るために海を渡りました。 
 船から下りると、その日に再出発するには遅く、港の近くの公園で宿泊することにしました。 
 宿泊のために、テントを張っていると、ちょっと酔ったサラリーマン風の男が近づいて、 
話し掛けて来ました。 「どこから来たんだい」。長くツーリングをやっていると、 
話し掛けてくるの来るのは、珍しいことではありません。 
今は、サラリーマンですが、きっと若い頃には、自分と同じ様な事をしていたんだろう。 
そんな風に考えて、その男と会話をしていました。 

 しかし、なにかがおかしいのです。雰囲気というか何かが。 
 何かおかしい、そう気づきはじめてから、少しして、男は近づいて来ました。 
そして、自分の二の腕をつかみました。 
その瞬間、全身の毛穴が開きました。 
そんなことには構わず、男は、こう言いました。 









「ホテルに行かないか」 
全ての謎は解けました。 
張ったテントを残し一目散に自転車でその場から逃げ去ったのは、 
言うまでもありません。 

 しばらくしてから、テントに戻ると、なんと男が寝ていたのです。 
男を引き釣りだし、正気にさせ、追っ払いました。 
自分はテントに南京錠をかけたものの眠れぬ一夜を過ごしました。 

ネタだ! 
 そう思った方も多いと思いますが、 
 「実話です!!」 
 リアルに「あなたの知らない世界」を体験しそうになった、ある夏の日の出来事でした。 

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