ゴスロリババア

36 コピペ 2005/06/26(日) 19:33:27 ID:WMXjvaWB0

5年ほど前俺が高校生だったときの話だ。 

運動会で掲げる「クラス旗」を作るため友人数人と夜遅くまで学校に残っていた。 
工業高校で夜間の授業もあるため夜遅くてもそれなりに校内に人はいた。 

突然校内アナウンスが。 
「今は図書室、これから図書室おまえらなjlhぇうっかう゛ぇあじぁmこ;」 
最後の方はよく聞き取れなかったがお婆さんの声のようだった。 
異様な空気を感じた友人達も、変な声だっただの婆さんの声だっただのと 
言い、ひとしきり気味悪がったアト肝試しのノリで図書室に行くことになった。 

図書室に行く途中またアナウンス。 
「先程アナウンス機器に不具合が生じ誤った校内放送が流れてしまいました。 
繰り返します~…」 

幽霊の正体みたり云々とはこのことか、と興ざめしつつも 
「でもひょっとしたら幽霊のひとつやふたつ」と俺たちは一応図書室に向かった。 
図書室のやや手前にある機械工業科準備室(イメージが伝わりにくいかも知れないが 
ドリルやら電気ヤスリやらがおいてある)に先生方が6人。 
中には俺の知らない先生もいらしたが体育の先生方がほとんど。 
そして一人のフリフリ、今は「ゴシックロリータ」ってェのかな、そんな感じの服装の 
老婆が先生方に囲まれて椅子に座っていた。後に友人が言うには老婆の足下は靴下で 
ウォーターポンププライヤー(レンチのでっかいの)がひとつ床においてあったそうだ。 

その老婆の顔が結構なモノで、「新耳袋」だかなんだかの映画の宣伝、そのラストに出てくる、
バスケットボールをもってこっちに走ってくるお婆さん。
あのお婆さんの頬にショッキングピンクの頬紅をでたらめに塗ったくった異様な化粧。 

その老婆が俺たちに気づき、「このぼけあmkljlJIL」と、口走り立ち上がってこっちに来ようとしたが先生方に取り押さえられた。恥ずかしいことだがおれはそのとき裏声で悲鳴を上げてしまった。 
「落ち着いて!ね、ええから落ち着いて!」 
先生方もあわてて老婆をクールダウンさせようとなだめる。 

ドラマみたいな光景に入り口付近で固まっていると、 
「破戒僧」とあだ名される先生が準備室の中を見せないよう入り口を遮り 
「お前らもう遅いから帰りなさい」と言った。 

老婆のことを尋ねられるような雰囲気ではなく、俺たちはもとの部屋に戻った。 
「おいアレきちがいと違うか」「さっきの図書室の放送って…」 
「あの顔みたか、あの顔」「みたみた」等々会話を交わし、早々に解散した。 

その老婆が新聞やニュースで取り上げられることはなかったが今でも俺は 
あの顔を忘れていない。 

あの老婆の足下のウォーターポンププライヤーは誰かがしまい忘れたモノだと信じたい

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