豊作

426 :sage:2007/07/08(日) 17:06:01 ID:c3f0/fdL0

ある山村での話
その村では、柿などの果樹を収穫する時、来年の豊作を祈願するためか、
ひとつだけ取らずに残しておく風習があった。
ところが、それをわざわざ棒で叩き落して歩く男が現れた。
年寄りが「ばちがあたりゃしないか」と言っても馬耳東風だった。
そのAという男はなんでも村の人ではなく、近くの町から通ってくるのだという。
Aは、村人が実のなる木だからと草刈の時に残しておいた幼木も容赦なく引き抜いた。

ところがAはある時からぷっつり姿を見せなくなったという。
村人はそれを疑問には思わないようで「Aのおかげで猿の害が減った」と話してくれた。

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