写真

759 名前:写真 :2005/05/19(木) 09:58:36 ID:rAWMpJFR0

小学校のとき、担任だった教師。性格がとにかく悪かった。 
自分の子供と俺たち生徒を比較して、私の子供は君達みたいな子には育てないだとか、 
とにかく奴は自分の息子を溺愛し、俺たちと比較するのが好きな奴だった。 

特に俺なんかは出来が悪くバカだったので、いつもいたぶられていた。 
こんな問題も出来ないの、とか、とにかくいろいろ言われて頭に来ていた俺は、 
教師の机の中身のものを滅茶苦茶にしてやろうと考えた。 
(当時俺たちの小学校では、教室に教師の簡易机みたいなものがあった) 

休み時間、その日は曇天にもかかわらず、殆どの奴は運動場に出かけたり、 
別のクラスに言ったりで、残ってる奴は珍しくいなかった。 
教師の机の引出しを開けた俺は、綺麗に整理されたノート、 
カラーごとにきちんとまとめられたペンなどが目に入り、 
とにかくこれを滅茶苦茶に荒らしていた。 

ふと、一番下のノートのに、裏向きに写真が挟まっていた。 
家族の写真だろう、と直感した俺は、この写真もパクってやるか、と写真をひっくり返した。 
その写真に写っていたのは、担任と夫らしき人物、そして小学生ぐらいの子供。 
猛烈に震える俺の手。心臓の音が聞こえるようだった。 

写真の子供の顔が、火であぶられていた。 


黒ずんだ子供の顔。焦った俺がノートを落とすと、 
ノートの間から何枚も写真が出てきた。 
どれも子供の顔だけが火であぶられていた。 

はっと気配を感じて廊下側を見ると、廊下側のガラスの向こう。 
すりガラスのせいで姿は見えなかったが、直立姿勢で立っている影があった。 
俺は担任と直感し、窓から飛び降りた。一階だったのが助かった。 
そして俺は隠れてクラスを見ていた。 
(教室側からは死角の、いい位置があったのだ) 


誰もいない教室で、担任はマッチを使って写真を炙り始めた。 


そこまで見ると、俺は猛ダッシュで運動場に行き、友達と合流して遊んだ。 
他の誰か(生徒)がイタズラをしたんだろう、という俺の考えは間違っていた。 

怖いのは、今考えても、そんな事をする理由がわからないのだ。 
夫婦の仲が極端に悪いとかで、写真の中の「夫の顔」をあぶるならまだ分かる。 

だがなぜ子供の顔なのか?あんなに自慢していたのに。 

駄文スマソ。 
小学校のときだから記憶があやふやな面もあるのだが、 
幽霊よりも怖いものがあると知ったあの夏。 

前の話へ

次の話へ