岩の上にいるのか、木の上にいるのか

575 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/01/05 02:22

小学校の頃の話だからアテにならんかもしれなけど。
遠足でハイキングをした時の話。 
その日はちょっぴり曇っていて、ちょっぴり霧が出ていた。 
僕は先頭を歩いて校長先生と時たま会話をしていた。 
校長先生は山が好きなようで、話す内容は山のことばかりだった。 
話す頻度自体は少ないもののとても熱が入った喋り方だった。 
暫くすると、校長先生の話す内容が段々と長くなっていき 
それに比例するように段々と頭にカスミがかかったようにボンヤリとしてきた。 
話している事はダラダラと聞こえているし、地面を踏みしめて歩いている感覚もある。 
けれど、内容は全くわからないし、自分が今、岩の上にいるのか、木の上にいるのか、土の上にいるのか判らなくなってきた。 
そして段々と瞼が重くなって歩きながら目を閉じてしまった。 
すると次の瞬間、校長先生の話が途切れた。 
その事がきっかけで一気に目がさめ、頭にかかっていたカスミも消えた。 
気がつくと僕は列の最後尾に程近い所にいた。 
不思議に思い昼食の時に、先頭の方だった友人に「いっしょに先頭のほう歩いてたよね?」と聞いてみた所 
「ああ…そうだったような」と曖昧な解答が得られた 
校長先生に聞いても「話してた記憶はあるけど、○○君がいたかは覚えてない」と言われた。 
後方を歩いていた友人に「ここに一緒に着いたんだから、最初から後ろ歩いてたんだろ」と言われ「成る程、それはそうだ」と納得した。

子供の頃の記憶ってのは色々ごちゃ混ぜになってたりするものもあるんで 
これもその一つかもしれないけど、個人的にはこの記憶に関してはそうでないと思いたい。 
この記憶は不思議さ故か同時期の他の記憶よりもずっと鮮明だし 
なにより 
「校長先生ー!あんなにナカヨシだったのに僕がいるのが判らないとはどういうことだ!」 
というあの時感じた憤りはホンモノだと思う。

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