良いこと

414 :雷鳥一号:03/12/01 01:00
友人の話。
彼のお祖母さんはかつて胃癌の手術を受けたことがある。 
手術をしてからというもの、お祖母さんは元気を失くしてしまったのだという。 
健康状態に問題は無いのだが、何をする気にもならなかった様子だった。 
そんな時、お祖母さんの友人から遊びにおいでと誘いが来た。 
出かけるのを渋る祖母を、家族皆で気分転換に行っておいでと送り出した。

数日後、帰ってきた祖母は見違えるように元気になっていた。 
私はまだ二十年は死ねないんだよ。 
そう言って、色々な学習やボランティア活動に顔を出し始めたのだという。

お祖母さんの友人に「どうやって励ましたのですか」と父が尋ねたところ、 
「何もしていませんよ」と答えられた。 
ただ、その友人の家は山中にあるのだが、どうやら祖母はそこで出会った誰かに 
良いことを教えてもらったと言っていたらしい。 
少々不気味だが、塞ぎこんでいるよりは元気な方が良いと家族は言っている。

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