下を向け

474 :雷鳥一号:03/12/02 23:52

友人の話。
子供の頃、ボーイスカウトに参加して山登りをした時のこと。 
山の中腹にさしかかった頃、上の方から一組のパーティーが下りてきた。 
それを見た引率の教師は、急に緊張したという。 
子供たちに、挨拶はするな、下を向いたまま顔を上げるな、という指示が出た。 
彼らは意味も分からず、じっと下を向いていた。

そのパーティーは奇妙なことに何の反応も見せず、すぐ横を通り過ぎていく。 
プンとした悪臭が匂ったそうだ。 
パーティーの足元を見ると、何人かは靴が腐り落ちて裸足同然な状態になっていた。 
剥き出しになった足は、むくんでどす黒い色になっていた。

彼がボーイスカウトで不思議な体験をしたのは、これが最初で最後だったという。 
あれは一体何だったのか、今でも不可解だそうだ。

前の話へ

次の話へ