憶えられたら

594 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :03/12/07 02:18
知り合いの話。
仕事で山林の手入れをしている時のこと。 
どこからか奇妙な調子で、おーいと呼ぶ声が聞こえたのだという。 
くり返し呼ぶその声を聞いているうちに、なぜか返事を返さなければならないと 
いう気持ちになったのだという。 
声を返そうとした途端、先輩がひどく怖い顔で静止した。

 やめろ。憶えられたら家までついてくるぞ。

問うてみると、正体は分からないが、返答した者に取り憑く類いの怪らしい。 
仕事を終わって帰る時も、まだその声は聞こえていたそうだ。

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