もくめ
372 :1/2:04/10/03 19:34:01 ID:6jaJc+xB
もう10年ほど前になるが、高校生時代の話。
当時、クラスで梅図かずおの「漂流教室」が流行っていて、みんなで回し読みをしていた。
その最終巻の巻末に、「もくめ」という短編が収録されていた。
内容はうろ覚えなんでググってみたが、これしか見つからなかった…
>「もくめ」といえば、梅図かずおの短編に出てきた人形がモクメだったんだが今だにあの怖さを忘れられない。
>内容はゴミの中から拾った物が人の頭部に似てて、せっかくだからと人形を作ったが・・・
>と言う物だが、あの顔が恐ろしくって小さかった自分はあの短編だけは飛ばして観ていた。
確か、何度捨てに行っても「もくめ」は歩いて帰ってきてしまう、という話だったと思う。
内容はともかく、その等身大の不気味な人形は強烈なインパクトがあり、「漂流教室」同様、
クラスの話題に上ることもあったように記憶している。
そんな折、修学旅行で京都に行くことになった。班ごとの自由行動の際、我々一行は道に迷って、
車1台がやっと通れるような裏路地を歩いていた。そこは両側を民家に挟まれた、なんということも
ない路地で、しばらく進むと左手に小さなゴミ集積所があった。古箪笥や黒いゴミ袋がいくつか
置いてある全く日常的な光景だったが、他に見るべき対象もないので、皆自然とそこに目を向けた。
ゴミが積んであるブロック塀の、ちょうど目の高さあたりに1枚の白い紙が貼ってあった。
そこには、達筆とは言い難いが、筆でこう書いてあった。
「ここに もくめ を すてるな」
全員がその場に凍り付いたように固まり、数秒後、誰とはなしに走り出した。
その後、関西ではもくめというものが存在するのだろうとか、漫画を読んだ人間のいたずらだろう
などと話し合ったが、無論結論は出ず。
怪奇現象は何もないのに、あまりのタイミングの良さに背筋が凍った話でした。