自動販売機

95: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2006/03/08(水) 20:21:00 ID:mkCQYm3B0
友人の話。
学生時代、部活でキャンプしていた時のことだ。 
宿営地より少し離れた場所に、ジュースの自動販売機があった。 
就寝時間が近い頃、コーラでも買おうと一人出かけたという。

お金を入れて商品のボタンを押す。 
ボトッと潰れた重い音がした。硬い缶の立てる音ではない。 
何が落ちた?

取り出し口を開けると、黒く小さな物がわさわさ動いていた。 
思わず手を引っ込める。 
しなびた人間の手首が、外に出ようと爪を立ててもがいていた。

テントまで素っ飛んで帰り、仲間を連れてすぐに戻る。 
彼が見た手首など影も形もない。 
ただ空になったコーラの缶が薄暗い外灯の下、カラカラと転がっていた。

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