見舞い

393: 本当にあった怖い名無し 2006/05/28(日) 03:59:20 ID:u8f96tzn0
よくある話だけど、俺の伯父の体験
「なんだってこんな時に限ってよお!」 
伯父は病院のベッドの上で、ギブスと包帯で痛々しく包まれた足に怒鳴った。 
仕事中に足をボキッとやり1ヶ月は立てないという。 
伯父は来週に控えた大雪訓練縦走に参加出来なくなった事で、我々弟家族に八つ当たりする。 
伯父はある登山グループに所属していて、半年後にはK2挑戦にも誘われている程の山好きである。 
その海外遠征の訓練として冬の大雪山系にこもる事が出来なくなった。 
「あ~あ、あいつら今頃楽しく準備してるんだろうなあ・・・」

それから1週間後の深夜、伯父が病院から見舞いをしてきた。 
「あのよお、誰か死んだのか?」 
伯父が何を言っているのか解らないが、とりあえず誰も死んでいないと言い電話を切った。

次の日、俺たち家族は見舞いに行き昨夜の電話は何だったのかを聞いた。 
「夢だよ、夢見たんだよ。真夜中なんだけど仲間達が見舞いに来たんだ。」

「今ニペにいるはずの○○と●●と××…が夜中に俺の見舞いに来たんだ。 
しばらく、お前馬鹿だな~とか普通に話してその後さよなら言って帰って行ったんだ。」 
伯父は少し興奮していた。
その日の夕方テレビで「大雪で遭難事故発生。雪崩に数人巻き込まれた模様」との報が流れた。 
テレビで流れた行方不明者は、伯父が見舞いに来たと言い張る人物達と一致していた・・・

前の話へ

次の話へ