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87: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2006/07/02(日) 00:29:38 ID:e/Le23+W0

私の体験した話。
仕事の現調が終り、日暮れ間近の峠をトボトボ歩いている時のこと。 
薄暗くなり始めた山の中に、ピリリリッという電子音が鳴り響いた。 
メールかと携帯を取り出す。未読が一件、件名はない。 
開いてみると、本文が一行だけ。

 『今、後ろ歩いてるよ!(^~^)』

鳥肌が立った。慌てて振り向いたが、暗い峠には誰も居ない。 
誰か知らないがメルアド間違えやがったな。そう思うことにした。 
速攻でメールボックスから削除する・・・最後の顔文字に一寸だけムカついた。

操作しながら気が付いてしまった。携帯の画面上部に“圏外”の文字がある。 
何かの間違いだろうと納得し、足早に歩き出す。

峠下に停めた車に辿り着くまで、同じ文面のメールが合計四通入ってきた。 
それからしばらくの間、仕事でその峠に行くのが少し鬱だった。

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