トントントントン…

608 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 21:11 ID:82qh+Cen
今から10年位前、両親が泊まりで出かけた日の夜のことです 
戸締りを済ませ、夜も更けたので兄と二階に上がりました。 
兄は和室に、私は洋室にと別れ、寝ながらテレビを見ていた時です 
トントントントン… 階段を上がる音が聞こえてきます 
トントントントン… 次は階段を下りる音が聞こえてきます 
それが数回、人が階段を上がったり下りる音が響きます 
しっかり戸締りしてるから泥棒じゃないだろうし 
さては兄ちゃんがふざけてるんだな? 
そっちがその気ならこっちも… と洋室のドアノブを掴み、息を殺す自分 
階段は13段。洋室のドアを開けると目の前に階段、横を見れば廊下です 
トントントントン… 4段上がった音がドアの向こうから響く 
トントントントン… 8段目を上がった音が響く 
もう少しで目の前でいきなりドアが開けられ、驚く兄ちゃんの姿が見れる 
笑いをこらえながらドアノブを後ろに引くタイミングを計ってる自分 
トントントント… 12段くらいにさしかかった時、ついにその時が… 
勢い良くドアを後ろに引いた自分の目の前には… 

誰も、何もありませんでした。 
そんな、さっきまでドアの向こうに兄がいたはず。 
身を乗り出して階下を見つめるが誰もいない。階段の電気もついていない。 
あれ?と不思議に思いながら廊下を見ると 
廊下のつきあたりの奥の和室が10センチくらい開いていて 
部屋の薄明かりが兄ちゃんの後頭部を照らしていました。寝ているようです 
そんな、数秒で和室に行くなんて…第一、和室の引き戸はたてつけが悪い 
開け閉めをしたら間違いなく大きい音をたてるはず… 
さっきの足音はもしや…と思いつつ、何もなかったように静かにドアを閉めると 
一番明るい電気をつけたまま朝を迎えました。   以上です。 

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