海沿いの道

242 :名無しさん@おーぷん :2017/05/29(月)10:37:00 ID:lry ×
小学生の頃、父が運転する車に乗り海沿いを走っていた
後部座席には俺と弟が居たんだけど、
謎の線香ぽい臭いが充満してきて頭クラクラするし、俺は窓際に腕を乗せ項垂れていた

ふと弟側から肩を叩かれた。
気がするてレベルではなくて強めに3度しっかり叩かれたけど、そちらを見ると誰もいなかった
意味不明過ぎて暫く考えたあと
「○○(弟)は?お父さんお父さん○○いないよ?」と言ったのを覚えている
初めて見る父の焦りの表情は何か怖かった

急いで車をバックさせていくと多くの人だかりの中に倒れている人が見えた
父は車から飛び出して向かっていく、俺は車内から見ていたけど倒れているのは弟だと分かった
そのあとはすぐ母親が来て泣いていた。救急車も遅れて到着し母と弟は運ばれていった

人だかりは父と俺が病院に向かうまで微動だにせずずっとそこに立っていた
老若男女様々いて幼い子供もいて道を塞ぎ続けていたんだけど、父はそこに突っ込んでいった
でも誰にも当たらずそれどころか病院に着くまでずっと同じ人だかりが窓から見えていた
景色は変わっていくのにその人達はずっと見えていた

みんなして満面の笑みを浮かべ車内を覗くようにずっと見えていた
いま思い出すと鳥肌が立つ、あれは何だったのか

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