壊れていたポーズ人形

226 :連投 1/2:2007/05/25(金) 12:35:23
友達の話。 

昔、友達が遊んでいた人形はリカちゃん位のサイズの、
いわゆるポーズ人形(※昭和30~40年頃流行した、観賞用のポーズ固定の人形)だった。
お祖母さんに貰ったらしいんだけど、女の子たちがリカちゃんを持って遊ぶ中、一人だけ妙な存在感を放っていたw
(でも、手足が針金入りで自由に動くから人気者だった…)
でも、子供の無茶な遊び方が災いして、首の芯が折れてしまった。
仕方なくその人形は、友人の部屋で壁にもたれて飾られるだけの人形となり、
友人が成長するにつれ忘れられていった。 

が、ある時、友人人形者として『開眼』w
人形にのめりこむうちにふとポーズ人形を思い出し、修理しようと決意したらしい。

227 :連投 2/2:2007/05/25(金) 12:36:57
あれやこれや試行錯誤して、なんとか修理が完了した夜…金縛りにあったらしい。
その最中、部屋にトラほどもある大きなネコが入ってきたそうな。 
ネコといっても、浮世絵に描かれるネコのような現実離れしたネコ。
そのネコが、ノシノシと部屋に入って来るなり友人の腹の上に飛び乗り、喉を鳴らし始めた。
で、おもむろに亡くなった友人祖母の声で、
「助かったよぉ、ずっと首が痛くてねぇ」と言うと、目を剥いてにいっと笑い、消えた。
それと同時に金縛りも解けた友人は、飛び起きてポーズ人形を探したが、部屋中どこにも無い。
修理が終わって机の上に置いたはずなのに、綺麗さっぱりどこにも無い。 

翌日、友人はダメもとで母親にポーズ人形の所在を知らないかと聞いたらしい。 
母から帰ってきた答えは、
「先週、粗大ゴミの時に捨てた。壊れていたし、ほったらかしてあったから」 
……友人が人形修理したのは前の晩。粗大ゴミは10日程も前だった筈。 
部屋には人形修理に使った材料が散乱しているし、完成させた覚えもある。 
で、友人… (((( ;゚Д゚)))ガクガクドルドル 
すっぱり人形趣味からは足を洗ってしまった。 

友人祖母は人形に宿っていたんだろうか? 
いずれにしろ、人形は首をどうしても直してもらいたかったみたいだけど… 

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