スティキン

428 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2012/07/21(土) 20:05:34.03 ID:gMq9PSoY0
アメリカで聞いた話。 

知り合いの猟師に連れられて、山へ狩りに出かけた時のことだ。 
深い森の中で、生き物の内臓だけを見つけたのだという。 
ビクビクと脈打っているところを見ると、剥き出しの状態でも生きているらしい。 
猟師はこれを見つけるや否や、油を掛けてさっさと焼いてしまった。
これは一体何なんだと尋ねると、「スティキンの内臓だ」と吐き捨てるように言う。 
スティキンと呼ばれるこの怪物は、インディアンに古くから伝わる森の魔物らしい。 
こいつは人を見つけると、襲い掛かって殺してしまう。 
そして自分の内臓を吐き出すと、殺した人間の内臓と入れ替えて、その人物に化けてしまうのだそうだ。 
そうやって部族の中に入り込み、内部から一人ずつ食べていってしまうのだと。 
だから、こういった生きた臓物を見つけると、すぐさま焼いてしまう。 
内臓を焼かれると、本体のスティキンも死ぬからだという。 
「これ以外の手段じゃ、呪術師の拵える特別な鏃でないと殺せないからな。 
 内臓があるってことは、誰かが襲われたってことかもしれないが・・・。 
 まぁ、本体に逢わずして退治できたのは、運が良か

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