道間違えちゃったかな…

457 :本当にあった怖い名無し:04/08/18 04:28 ID:mNewG2P2
俺の経験したちょと怖い話 

俺は一年間の浪人生活を経て田舎の大学に進学し下宿生活をはじめた。 
信じられないぐらい田舎にある大学で、周辺には無人駅と田んぼしかなかった。 
そこの大学で同じ一年生の親友Aとサークルで出会った。 
Aとは特別仲が良いと言う仲ではなかったが、Aが自分がバイトしている所を紹介 
してくれたため、バイトを通して俺たちの仲は親友とよべるぐらいに深まっていった。 

夏休み。俺は浪人時代にとれなかった車の免許を取る事と車を買う為のお金を稼ぐ為に 
地元に帰らずにバイト漬けの生活を送っていた。 
努力のかいがあってか 
8月の前半には車の免許をとり、8月の後半には安い中古車を買う事ができた。 

9月に入っても地元には帰らずに大学が始まるまでバイトに通う日々が続いた。 
9月のある日、俺と親友Aはバイトを終えて酒を飲みに行く事になった。 
俺は親友Aを乗せて駐車場のあるバーに入った。そこで朝まで二人で飲み明かした。 

俺たち二人は酔いも覚めた朝5時ぐらいに車に乗り込んだ。 
俺は酔いは覚めたが意識がもうろうとしていて運転に不安があった。 
だが、このへんの地理に詳しいAが隣にいたので頑張って運転する事にした。 
助手席のAは眠気と疲れの為、はっきりとした道案内をしてくれなかった。 
俺も適当に行けば家に着くだろうと思い来た道を戻ろうとした。 

しかしどうもおかしい。明らかに道を間違えて人里離れた所へ来てしまった。 

「道間違えちゃったかな…」 
俺は助手席で半分眠っていたAを起こした 
するとAは目を開けた瞬間、急にとびあがって俺に尋ねた 
「お前バーからどっちに走った?」 
適当に走らせたよなどと俺は答えて、やっぱり道間違えたのかななんて思った。 
Aはとりあえず戻ろうと言い蒼ざめた顔で道案内をはじめた。 
だが、地元の地理に詳しいはずのAが突然道が分からないなどと言いはじめた。 
Aが言うにはここらへんには立ち入ってはならない地域が存在し 
Aも子供の頃から決して立ち入ろうとは思わなかったようだ。 
俺たち二人はとりあえず大きな通りに出ることを目指して車を走らせた。 
辺りには民家と田んぼがあるだけで車を進めるうちにどんどん狭い道になっていった。 

そしてやがて行き止まりに突き当たり、しょうがなく俺はバックしようと思い 
ギアを「R」にいれてバックした。 
そして再びギアを「D」に入れて車を走らせようとした 
しかし、どんなけアクセルを踏んでも車は走らない。 
俺は動揺してもう一度ギアを「R」にいれてからもう一度「D」に戻した。 
しかし車は動かない。俺たちは完全にパニックに陥ってしまった。 
だが車が走らないので、どうしようもなく少し落ち着こうなどと話していた。 
すると一台のバイクが民家に入って行くのが見えた。 
時間的に新聞配達の人かなと思ったが、その人はスーツを着ていてどうみても 
郵便配達の人にしか見えなかった。 
「こんな時間に郵便配達?」 
俺は不思議に思い何度も目を疑った。 
そう思っているとそのバイクに乗った人が民家からまた出てきた。 
今度は目の前を通った為はっきりと郵便配達の人だと確信した。 
俺たちはビビっていた。 
早く家に帰ろうと思い車を走らせようとした。 
今度は車は走った。 
丁度スピードに乗り始めようかというところでまたバイクが前方からやってきた。 
郵便配達の格好をしていた。今度はさっきより速いスピードでやってきた。 
すれ違った瞬間、その人の顔を見たがそれはもう言葉では表せないような顔をしていた。 
バイクはさっきと同じ民家に入って行った。 
俺は怖くなって車を走らせたが、後ろからバイクがまたやってきた。 
俺はスピードをあげた。 
しかしそのバイクは俺たちの後を追う様に着いてきた。 
逃げるように真っすぐ進むと森の中に入って行ってしまった。 
真っ暗の森の中、俺は気が狂ったかのように車を走らせていた。 
バックミラーにはあのバイクがずっと映っていた。 
本当に死ぬかと思った。 

終わり。あんまり怖くないかな 

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