用具倉庫で

460 :本当にあった怖い名無し:2018/02/19(月) 07:06:22.27 ID:GKwZXJu00.net[1/2]
小学3,4年だったときの事
学校で、教室のすぐ近くに、学芸会に使うような用具倉庫があったんです。
なぜかいつも鍵が開いてたため、よく友人らと入って喋り場として使ってました。

ある日の放課後、友人と2人でそこで話をしていると、友人が
「トイレに行く」とかでドアを閉めずに全開にして出て行きました。
ドアはノブを回して内側から開けるタイプです。
閉めようとすると、なぜか倉庫の前に、おばあさんがいました。白髪です。
先生ではないことはわかってましたが、部外者のはずのそのばあさんが、ここにいた事が納得できてたんです。
おばあさんが何を言ったのかは、よく覚えてませんが、「友人を追いかける」ようなことを言うと
ドアを閉めました。
とりあえず、友人が帰ってくるまで待つか、と振り返ると、出て行ったはずの友人がいます。
「今、確かに出て行ったのに」と思い、ドアを開けようとすると、
「いや、今開けたら悪りい」と妙に落ち着いた口調で言います。
それでも友人の言うことを聞かずに開けようとすると、なぜかドアが開きません。
ドアが壊れているとかではなく、外側からとても大きな力で押されてる感じでした。
説明のつかない異様なものが外にいる!と直感を感じましたが、そばに友人がいたので、なぜか怖くなかったです。
そこで友人に、「出て行ったはずなのに、なぜここにいるのか?」と普通はそう聞くのですが、なぜか、
「今、おばあさんがお前を追いかけていった」と伝えると、急に友人が何も言わず開かなかったはずのドアを
自分が通れる隙間だけ開け、するりと出て行きました。

友人がいなくなり、一人きりになった途端、急に恐怖感が沸いてきました。
ドアの外にいるものが、いつ、ドアを開けて入ってくるのかと思うと、
また、倉庫の隅の真っ暗な所にも、何かがいるような気がして、もう怖くて怖くてたまりません。
いかにすれば。
目を瞑って片手で覆い、「ごめんなさい、ごめんなさい」とつぶやきながら、そおっとノブを回すと、ドアは開きました。
数十歩、歩いたところで、「もう下駄箱の辺りに着いただろう」と思い、ゆっくり目を開けました。
ところが、いたのは倉庫の中のドアの前でした。もう何が何かさっぱりわかりません。泣きそうになりましたよ。
友人が帰ってくるのを待とう。目を瞑り、顔を手で覆い、箱の上に座りじっとしていると、
外から、運動場で練習をしている野球クラブの生徒等の声が聞こえてきました。
その声に救われました。何かあっても大声で叫べば助けに来てくれるだろう。
ノブを回し、ドアを思い切り押し開けると、外には誰もいませんでした。
ホッとひと安心。下駄箱で靴を履き、外に出て野球部の生徒らを見たところで、やっと
まともな世界に帰ってこれたことを実感しまいした。
あーよかった。校門を出ようとしたそのとき「ハッ!」と思いました。
「さっきまで一緒にいたやつって誰だろう?」
急に、さっきまで一緒にいた友人が誰だったのか、どんな顔だったのか、どんな背格好だったのか、まったく憶えてないんです。
「あれえ・・・? 誰だったっけえ・・・?」
帰り道ずっと、心当たりのある人間を思い浮かべたんです。
友人、クラスの奴ら、同じ学年の奴らから、上級生、下級生、
果ては校区外の友人や、いとこのことまで、隅なく思い浮かべたんですが、誰でもないんです。
「まあいいか」、その時は子供だったからなのか、あまり深くは考えませんでしたが、
あとになって、たびたび、ふいに、この出来事を思い出すたびに気味の悪い気分になりま

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