自慢話

218 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/03/19 12:18
かなり以前のこと。
当時勤めていた職場に、Aさんという人がいた。
Aさんは、自分の席の横の窓から飛び降り自殺した人がいることを、
半ば自慢にしていた。新入社員や営業さんがやってくると、わざわざ
窓枠に残っている足跡を見せて、「これがこの人のこの世での最後の
足跡なんだよ」とか、「僕が部屋を出るときすれ違ったから、僕が
この世で最後に出会った人間なんだな」とか言っていた。
足跡は、雨にあたらない所にあったせいか、長い間残っていた。

ある時、大掃除があって、その話を知らないアルバイトの女の子が
窓枠をきれいに拭いてしまった。Aさんはすごく不機嫌になり、女の子を
ネチネチいじめていたが、ある時から何も言わなくなった。
窓枠に再びホコリがたまり始めたら、あの足跡が現れたからだ。
Aさんの自慢話はぴたりと止まった。

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