体育会系

312 :雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM :2014/04/11(金) 19:34:37.91 ID:ModvaOnF0.net
友人の話。 

アスリート達がよく合宿で使っている山があるそうだ。 
そこの道を登っていると、後ろから「おう!」と声が掛けられることがある。 
振り向いても誰もいない。 
おかしいなと思いながら歩き続けていると、再び「おう!」と来る。 
やはり誰の姿も見えないのだが、そう何度も声掛けをくり返されている内に 
段々急かされているような感じになって、結局最後は小走りで道を登り切る 
羽目になるのだと。 

その怪は「体育会系」という名で呼ばれていた。 
不思議なことに、嫌われていた様子は特になかったらしい。 

「アスリートの幽霊か、はたまた彼らに影響を受けた物の怪か。 
 今だったら差し詰め『脳筋』って渾名になっていたかもね」 
この話を聞かせてくれた友人は、そう言って笑っていた。

前の話へ

次の話へ