瓢箪
515 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ sage New! 2012/06/18(月) 19:40:42.20 ID:IfW5EEax0
山仲間の話。
一人で山歩きをしていた、ある夜のこと。
尿意で目が覚めたので、テントから出て用を足すことにした。
手近な木立の中に入ったところ、何やら多くの影がぶら下がっている。
ライトを向けてみると、それは大小様々な瓢箪だった。
しかも数が半端ない。光が照らす範囲内はどこも瓢箪が見えているのだ。
薄気味悪く思いながらも、その場で用を済ませ、寝た。
翌朝、再び用を足しにその木立へ足を踏み入れた。
あれだけあった瓢箪は影も形も無く、ただ普通の林が広がっていたという。
記憶と違う光景に、しばし呆けていたそうだ。