民間人

274 名前:元自 :03/06/03 03:10
あまりつまらないのですが... 
もう十年も前、私が陸自でレンジャー訓練に行った時の事です。 
訓練で樹海を行軍していました。その時は管理行軍(戦闘体制ではなく、 
普通に一列になって歩く)で前進していました。 
学生(自衛隊では教育を受ける隊員をそう呼ぶ)23名に、教官十数名、 
それと同行する衛生隊員数名で行軍していました。 

午後二時頃だったと記憶していますが、樹海の中は薄暗く、 
行ったことのある方はわかるとおもいますが、足元は深く沈み、 
まさに原生林といった景色の中を進んでいると、やや木々が開けた場所に 
出ました。 
極度の疲労、空腹、睡眠不足でふらふらだった私は、前を歩く同期の背嚢 
(リユックですね)を見つめながら、その視線の脇には教官の背中を 
見ながら、ずり落ちる銃のスリングベルトをわずらわしく思いながら歩いていた 
その時です。 

前方から赤い物が近付いて来るのが視界に入りました。 
いや、よく見ると赤い服の女性でした。 
こんな奥まで民間人が来るのか?と一瞬おもいましたが、 
すぐ異常に気が付きました。 
先頭の隊員、教官達ともすれ違っても誰も気にもかけないんです。 
いや、見えていないといった感じです。 
なんだ、幻覚か。と思い、とうとう私の横も通り過ぎた時です。 

むーんと、重く冷たい臭さ、あの独特の匂いがしました。 
何時間か後、休憩を取った時、数人の同期にその話をしました。 
すると、何人かの同期があの赤い服の女のひとだろ? 
と言い出すではありませんか!やはり私と同じく誰も気付く様子がないので 
幻覚と思ったそうなのですが、匂いはしたそうです。衛生隊員も見ていて、 
あの匂いは死人の匂いだよ、うち田舎土葬だから間違いない、と言っていました。 
すると無線で、さっき私たちの通った開けた場所の脇50 Mほどの地点で 
女性らしき腐乱死体が発見されたと入ってきました。 
後日詳しく聞いたら、赤い服を着ていたそうです。 
いまいちつまらなかったですね。すいません。以上体験談でした。 

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