ゾッとする名無しさん@特選怖い話:2016/07/12 09:30 ID:bmTlUoHc
我が家では3匹の猫を飼っていました。
今はもう全員(?)亡くなってしまい、寂しい思いをしています。
自分で扉を開ける猫というのは、結構いると思います。
うちの猫も3匹のうち、1匹だけはドアを自分で開ける子でした。
引き戸に限らず、二本足で立ち上がり、取っ手を押してドアも開けました。
他の2匹は引き戸やドアが閉まっていると、扉の前で開けて欲しいと鳴いてるだけでした。

あれは姪っ子が生まれたばかりの頃です。
旅行中だった母を覗いて、我が家には妹の家族と、妹の猫、そしてワタシと、ワタシの猫2匹(先に述べた扉を開ける子はその2年前に亡くなっています)が居ました。
妹は子供を産んだばかりで、就寝時間が早く、妹と姪っ子の睡眠の妨げになら無いように、とテレビを消し、甥っ子とワタシと妹の旦那はリビングで静かに話をしていました。
我が家はキッチンに対面する形でカウンターテーブルが設置してあり、そこに甥っ子、妹の旦那が座り、ワタシはキッチンに立ち、二人と向かい合う形で話ていました。
二人の後ろには、母の寝室があり、引き戸は全開になっていました。
甥っ子と妹の旦那の後ろで、開いた扉から、妹の猫が出入りする様子をワタシは話している最中、何度か見ています。
静かにしようと思っていましたが、甥っ子の様子が余りにおかしく、ワタシと妹の旦那は思わず大きな声で笑ってしまったのです。
一際大きな声で笑ってしまい、あ、マズイ!赤ちゃんが起きてしまう!
と、思った束の間、バタン!!!と音がしたのです。
かなり大きな音で、それが何の音かはすぐわかりました。
それは扉が勢い良く開けられるか閉められるかした音でした。
その時、ワタシはどこを見ていたのかは覚えていません。
ずっと正面を向いていたので、常に扉は視界に入っていた筈なのですが、、、。
気づくと、甥っ子と妹の旦那の頭越しに、扉がすーっと動いていたのです。
よほど勢いがついていたのでしょう。
反動によって扉は、半分ほど戻ったところで漸く止まりました。
三人で顔を見合わせました。
瞬間、煩いという講義の意味で妹が扉を閉じたのかと思いました。
妹の寝ている部屋は、母の寝室の隣にあり、母の寝室との間に、もう一つ扉がある為、ワタシ達の前を通らずとも寝室の内側から扉を閉める事は可能です。
すると、妹が怪訝そうに、寝ていた部屋の折れ戸を開けて顔を出しました。
今の音、なに?
幸い赤ちゃんはぐっすり眠っており、起きていないようでしたが、ワタシと妹の旦那と甥っ子はわけがわかりませんでした。
だったら、一体、誰が扉を勢いよく閉めたのでしょうか?
恐る恐る、母の寝室を覗くと、妹の猫がちょこんと座っている以外、当たり前ですが誰もいません。
甥っ子が、きっと猫が閉めたんだ。
と言い出し、妹の旦那もそうかも。と言い、猫が閉めたという事になりました。
未だに甥っ子は猫が閉めた。と言い張ります。

ですが、唯一、扉を開ける事ができた我が家の猫でさへ、開ける事はできても、閉める事は出来ませんでした。
しかも、その扉はツルツルの素材で出来ており、猫の爪が引っ掛かるような場所はありません。
なんらかの偶然で、閉める事が出来たにしても、猫にとっては重い扉です。跳ね返る程、勢いよく動かすことなんて出来るのでしょうか?
アレがなんだったのか、未だに不思議です。

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