無差別攻撃

290 本当にあった怖い名無し sage 2012/07/28(土) 23:30:59.60 ID:VUqEw0lV0
オレが小学生のころに聞いた、先生の体験談を書きます。 

地元では有名な事件。 
1945年の7月某日、傷病兵や動員された学徒など1000人以上で 
満員だった列車が、米軍艦載機の攻撃を受けた。 
いまネットで調べると、艦載機40機による、30分にわたるすさまじい無差別攻撃だったようだ。 
赤十字のついた、傷病者の車両も攻撃されたようだ。 

話してくれたのは、家庭科の老先生だった。当時、小学校に上がる前だったそうだ。 

なんでも、走行中の列車に、突然上空から戦闘機がたくさん飛来し、 
機関銃(おそらく12.7mm機銃)で撃ちまくられたそうだ。 
列車の中はパニックになって、列車が止まると他の乗客と同じく、 
両親ともに車外へ逃げたそうだ。 

そこへ、艦載機の攻撃が再び来たそうだ。 
逃げまどう人々に、容赦なくあびせられる弾丸・・・。 
機関銃の土煙が、きれいな間隔で地面に土煙を上げていたそうだ。 

ネットで見たことがあるが、12.7㎜の弾丸で撃たれると、 
1発でも、人間の体は真っ二つに、ちぎれ飛んでしまう。 
地獄だった。そう先生は言ってた。 
わかる。そんな弾が雨のように降ってきたら、どうなることか・・・。 

先生が生き残ったのは、奇跡的だったそうだ。 
両親とはぐれた先生が、懸命にさがそうとして走ろうとしたとき、 
だれかが足をつかんだそうだ。おそらく撃たれてのたうちまわった者が、 
反射的につかんだのだろう。その拍子に先生は転んだ。そのとき、 

どどどどどどどどどどどどどどどどど 
そんな音を立てて、目の前に土煙が並んだそうだ。 
そう、転んでいなかったら、ミンチになるところだったのだ。 
だが、先生のご両親は、その銃撃の犠牲となったそうだ・・・。 

夏になると、この話を思い出します。 
オレが幽霊よりも生きた人間のほうが恐ろしいと感じるのは、 
たぶんこの話がこびりついているからかもしれません・・・。 

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