匍匐前進ババア

279 本当にあった怖い名無し sage 2012/07/28(土) 21:40:46.20 ID:VUqEw0lV0
ちょっと思い出した話を書いていいでしょうか・・・。 

おい、ほふく前進ババアって見たことあるか? 
部活後に先輩が唐突に聞いてきた。 
その言葉の響きに、みな思わず爆笑してしまった。 
彼は怖い話が大好きで、寮内バカメンバーもその影響を受けてしまったほどだ。 
今日は、その話をしようと思う。 

彼は、怖い話とバイクが大好きな、強面ガチムチな人だった。 
そんな彼が、いつものように趣味のナイトツーリングをしていたときに起きた話だ。 
大学から30分ほどバイクで走ったところに、バイクで流すのに気持ちのよい山道があった。 
深夜は対向車もほとんど無く、民家もないので、気がねなくバイクで楽しめるところであった。 

彼が、いつものように温泉街を抜けて、その山道で遊んでいたときのこと。 
カワサキのでっかいバイクで、レーサーのようにコーナーを駆け抜けていたとき、 
バックミラーに白いモノが映っているのに気がついた。 
だれか来よったな・・・負けへんで! 
彼は、アクセルをひねりスピードを上げた。 
しかし、バイクのライトらしきものは、ミラーにどんどん大きくなってくる。 
くそ!早いわ! 
次第に、その光が近づいてきた。は?なんやこれは・・・。 
チラチラとしか見ることの出来ないミラーに、一瞬人の姿がみえた。 

信じられないものがいた。白いもやもや状の、老婆だった。 
それが、ほふく前進のかっこうで、両手をがしゃがしゃしながら追ってきてるのだ。 
あかん!でよったわ! 
無我夢中でバイクを飛ばす。でも、老婆の姿はいっこうに消えない。 

半泣きの状態でいるところに、急にドン!とリアシートに何かがのっかった。 
先輩が反射的にパニックブレーキをかけたところ、 
ぐちゃ、と背中に肉のようなものが当たる感触がしたそうだ。 
そして、止まって我に返ると、老婆のすがたはどこにもなかった・・・。 

ははは!先輩~今度の話はあまりこわくなかったスねw 
それ、よくある話ちゃいますん?w 
あ、時間なんでもう帰ります。お先に失礼しま~す。 
みんな、ゾロゾロと帰りはじめた。 

いつもなら、そういう話をした後にドヤ顔する先輩が、 
ひとり悲しそうに立っていたのが忘れられない。 

以上です。ちなみにその先輩は、いまも元気です。 

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