予感
344 :ナナフシぎ :2006/07/23(日) 03:44:06 ID:Z0P8M1B00
これはマンションに住む高2の初夏の話。その日は朝から快晴で湿気もなくとても気持ちのいい日だった。
テスト前な俺は朝から勉強に励む・・・わけもいかずただ勉強机に座り椅子をキシキシ揺らすだけだった。
机の横の窓(立て60cm横100cmぐらいの引き戸タイプ)からは開いた窓の真ん中に束ねられたカーテンを揺らし、
気持ちのいい風が吹いていた。
俺も気持ちがよくてボーっとしていた。二時間ほど経っていただろうか・・・
そっと風が止んだ。
窓の奥はすぐ廊下でその奥の方から買い物袋のビニールの擦れる音と共に足音が聞こえてきた。
俺はいつものように近所の誰かが帰ってきただけだと気にしてはいなかった。
俺は窓全体にかかった白い綺麗なレースのカーテンの上の真ん中に束ねられたカーテンがある全開の窓を眺めていた。
そして影は一度レース越しに窓に現れ、カーテンを挟みまた過ぎ去ったあとに現れ消えた。
いつものことなのに変な胸騒ぎがした。そして同時に誰かもう一人くるような気がしてならなかった。
すると
カツ カツ カツ カツ カツ カツ カツ カツ カツ カツ カツ カツ
きた
予感どおりだったのだ。そして前者と同じようにまず束ねられたカーテンの右の窓の空間に影が現れた。
そして もちろん左を通りすぎると俺はその影を見つめていた。
カツカツカツ カッ・・・・・・・・・・・・。
4秒くらい経ってもその影はカーテンを越えることはなかった。俺はどこか不安な気持ちだった。
なぜ止まってるんだ?覗きじゃないよな・・・と思いつつもカーテンをはらった。
そこにいるはずの影がいなかった。
俺は窓から首を出し廊下の左右も確認した。
誰もいない
瞬間に背筋が凍った。
ありえないのだ。あるはずないのだ。ここは6階の長い廊下。消えるならばまず飛び降り
なければならない。俺は廊下にでて下を見下ろした。
しかしそこに死体などあるわけもなくただ真上に快晴の空と夏の太陽が不気味に輝いていた。