百物語(未完)

296 :ふぃぐらし ◆pOljW.VcyA :2006/07/23(日) 02:31:48 ID:Vt3rb8bB0

俺の高校時代に(ってゆーか去年)、寮で起こった実話。 

夏休み前で下級生は全員帰省しており、残ってた同級生同士で百物語やろうって話になった。 
まあ、ほとんどノリだったんだが。w 
夜、じとーっとした空気の中、人もおらずガランとした中央棟の真ん中で、蝋燭の火は灯された。 
最初は皆適当な話でも適度に怖がっていた。 
が、終盤に行くにつれてそんな雰囲気もどこへやら、 
金縛りにあった話だの、昨日トイレから死臭がした話だの、メンバーの間にはお決まりのネタ切れ感が漂っていた。 

結局百話全て完結する前に、俺は 明日は朝早いし、ってことでこの場を抜けて部屋に戻り、とっとと寝ることにした。 

二時間くらい寝ただろうか、急に目が覚めて、気付くとあの中央棟に居たんだ。 
寒いなー、あらら、ここで寝ちゃったんだっけ? みたいな、 
そんな呑気な事を思いながら辺りを見回すと、参加していたメンバーも全員ここで寝てる… 
確か自分の部屋行って寝たはずなんだけどなぁ・・・  
と考えていたその時 寮に備え付けのラジオのスピーカーから、妙な音がフェードインしてきたんだ。 
砂嵐とノイズ混じりの音の中に、変則的な、オッサンの声を高く歪ませた声で、 

もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、もし、 

ボイスレコーダーで作ったような変声音が延々とリピートされ続けていた。 
おぞましい寒気を感じた俺はラジオのコードを死ぬ気で暗がりの中探して引っこ抜くと、急いで全員を叩き起こした… 

後日聞いたんだが、そんな声を聞いた覚えのある奴は一人もおらず、結局俺一人しか祟り?には遭わなかった。 
また、百物語の場から抜けた奴は俺含めて一人もいなかったという。 
当然こんな話誰も信じてくれず、 はいはい怖い怖い と流されてしまった。 
あの声は何だったんだろ? つーか俺は確かにあの場を抜け出してたはずなんだが・・・ 
何となくだけど、百物語は 参加したら終わるまで絶対逃げられない。そんな感じを覚えた。 

 

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