カーテン

43 :カーテン:2008/07/15(火) 10:39:43 ID:???0
1人暮らしの妹を訪ねていったAさんの話。
妹さんのアパートの部屋は1階にあり、ベランダの向かいは駐車場。
外国暮らしでカーテンのない地域に住んでいたので、習慣で妹さんはカーテンを閉じる事もなく暮らしていた。
電気をつけた明るい部屋で着替えだす妹に、日本暮らしの長いAさんは、
せめて電気を消すかレースのカーテンは閉じたほうがいいと忠告して、自分はバスルームで着替えた。

2人で食事をして眠ろうかと言う話になったとき、妹が網戸を開けっ放しで寝ている事も知り、
危ないからクーラーを使うようにも忠告した。
今日は2人だから網戸でいいよと妹さんに強く言われ、
自分の部屋でもないのでAさんは主張をあきらめてベッドの脇に布団を敷いて眠る事にした。

夜明け近い時間、ふと目が覚めるとレースのカーテンが大きく揺れていた。
何だか変な気配に部屋を見渡すと、Aさんのすぐ傍に人間の足がみえた。
恐る恐る目線をあげると、見知らぬ男が手に靴を持って立ってAさんを唖然とした表情で見下ろしている。

慌てて飛び起きたAさんの第一声「どちらさまですか?」に
男もびっくりした様子で「すみません893に追われてて」と答えた。
騒ぎに妹も目を覚ましたものの、ぼーっとAさんと男のやりとりを眺めている。
「どこから入ってきたんですか?!」とベランダの下をみればビールケースが積み重なっていた。

「す、すぐに出て行きますから。」と男が玄関先に行きそうになったので
「こっから出てって!」とベランダに誘導。

男は謝りながらベランダを乗り越え、姿を消した。残されたビールケースを
近所の酒屋に戻し、後で妹をみっちり叱りましたとさ。
Aさんがいなかったら、妹さんはどうなっていたことか・・・

で、妹さんはまだそこに住んでいるそうです。カーテンを閉めるようにしたから
大丈夫だそうです。大丈夫なのか・・・? 

前の話へ

次の話へ