お供えのお茶

61 名前:モモの木 :02/09/16 22:29 
おじいちゃんが死んで、おばあちゃんは仏壇に毎朝お茶を供えるようになった。
夕方になると、湯のみのお茶が一口分なくなっていた。
 私はお茶が蒸発したのだと思っていた。
おばあちゃんにそう言うと、
「おじいちゃんは仏様になったから、一口しかお茶が飲めないんだよ」
と笑って言った。
 ある日私は実験のつもりで、仏前に水を入れたコップを置いた。
 水は全然減っていなかった。
 次の日に白湯を置いたが、同じだった。
 また次の日の朝、ジュースを置いた。
 その日の夕方、なぜかジュースは私の部屋にあった。
私は仏壇に手を合わせて、おじいちゃんに謝った。

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